1クラスに1人以上はヤングケアラー 学習時間にも影響

学校に通いながら家族の介護などをしなければならない「ヤングケアラー」を経験した子供は、1クラスに1人以上いる――。埼玉県は11月25日、同県内の高校2年生を対象に初めて実施した、ヤングケアラーの実態調査の結果を公表した。ケアによる生活への影響を聞くと、孤独やストレスを感じていたり、学習時間が確保できなかったりといった声があった。

ケアの開始時期の割合

調査結果によると、ケアの理由が「障害や病気などではなく、幼い(未就学・小学生)からのみ」という場合は除いて、「現在もヤングケアラーである」「過去にヤングケアラーであった」と答えた生徒は1969人で、回答者全体の4.1%。そのうち、女子生徒は58.9%だった。

ケアの開始時期をみると、中学生が最も多く34.9%、次いで小学校高学年が20.1%、高校生が19.5%と続いた。小学校に入る前からとの回答も7.5%あった。

ケアの相手は、祖父母・曾祖父母が36.9%で最多。ケアが必要になった原因をみると、祖父母・曾祖父母では高齢による衰弱が、父母では病気が多かった。兄弟姉妹の場合では、幼いことに次いで、発達障害や知的障害も多く挙げられた。

ケアを担っている理由を複数回答で聞くと、「親が仕事で忙しいため」が29.7%で最も高かった。

ケアの内容を複数回答で聞くと、家事が58.0%と最も高く、次いで感情面のケアや買い物などの家庭管理が続いた。

こうしたケアを行っている頻度を毎日と答えた割合は35.3%。2時間以上をケアに費やしている割合は平日で25.1%を占め、休日になるとケアが長時間化する傾向がみられた。

また、ケアによる生活への影響を複数回答で聞くと▽特に影響はない 41.9%▽孤独を感じる 19.1%▽ストレスを感じている 17.4%▽勉強時間が充分に取れない 10.2%――などがあった。

必要とする支援(複数回答)では▽特にない 38.2%▽困った時に相談できるスタッフや場所 16.0%▽信頼して見守っている大人 14.5%▽学校で宿題や勉強をサポート 13.2%――などがあった。

同調査は今年7~9月に、県内の国公私立高校2年生を対象に学校を通じて実施。4万8261人が回答した。

埼玉県では今年、ヤングケアラーの支援などを盛り込んだ「ケアラー支援条例」を制定。

ヤングケアラーに関しては、厚労省も今月に「ヤングケアラーの実態に関する調査研究の検討委員会」を立ち上げ、来月にも、全国の公立学校に通う中高生を対象にした抽出調査を実施する予定で、実態解明と支援策の具体化に向けた動きが本格化している。

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