工業高校の学びの評価を研究 全国の実践校が中間報告

工業高校生の専門的職業人として必要な資質・能力の評価手法の、実践研究に関する中間発表会を、全国工業高等学校長協会がこのほど開いた。実践研究校がこれまでの取り組みを発表したほか、新学習指導要領を見据え、工業高校の専門科目などに対応した評価手法が報告された。

オンラインで報告を行う実践研究校の教員

2022年度から年次進行で高校の新学習指導要領への移行が進むのにあたり、特に高校では、観点別評価が本格的に導入されるなど、評価方法も大きく変わる。そこで、同協会では13年度に「評価手法研究委員会」を発足させ、長期にわたり、全国の工業高校で実践研究を進めてきた。この日の報告会は、実践研究校9校の研究の進捗(しんちょく)状況を確認するとともに、最終報告に向けた助言を行う目的で、オンラインで行われた。

講演では、実践研究の運営委員を務めるベネッセコーポレーションの柏木崇氏(教育情報誌『VIEW21』高校版編集長)が登壇。「次の指導要領の学習評価は『値踏み』ではなく『支援』。生徒の自己肯定感を高め、長所や強みを指摘してモチベーションを上げる一方で、できていないところや短所、弱みの改善については、生徒にとってどういった意味があるのかという、受け止め方を伝えるのが大切だ。評価者・被評価者の上下関係、評価者は教師のみという評価体制からの脱却が求められている」と語った。

続いて、実践研究校が現段階での成果を発表。

今年で実践研究3年目を迎える栃木県立足利工業高校では、スモールステップで学習の見通しを持たせる評価規準と、生徒の自己評価、教員の形成的評価などを記述する「足工ステップアップシート」を昨年度に開発した。今年度は「染織デザイン」などの専門科目に加え、数学や地理歴史科の一部科目でもシートを評価に活用し、浸透を図った。

シートを活用した教員とまだ活用していない教員でグループになって研修を行うなど、教員の意識を高め、全学年でシートを活用した評価の実施を目指すとした。

実践研究2年目の福岡県立福岡工業高校では、思考力・判断力・表現力の育成を狙った評価の工夫を模索。今年度は学習内容についての評価の観点別に、学習者の到達度を一覧化したルーブリック評価を個々の教員が作成できるように、研修で参考となる作り方を示し、普及させた。

また、校内のWi-Fi環境の整備やグーグル社の学習者用端末「Chromebook(クロームブック)」が導入されることから、オンライン授業などに対応した研究も並行して進めるとした。

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