緊急事態宣言出ても「地域一斉の休校は慎重に」 文科相

新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言が出た場合の対応について、萩生田光一文科相は11月27日の閣議後会見で、「児童生徒の発症や重症の割合は低く、学校を中心に感染が広がっている状況ではない。現時点において、春先のような全国一斉休校を要請することは考えていない」と述べた。各地域で休校を検討する場合についても「地域一斉の臨時休校は、学びの保障や子供たちの心身への影響の観点からも、必要な場合に限定し、慎重に判断すべきだ」との考えを示し、自治体などの学校設置者に対し、地域単位の一斉休校をなるべく回避するよう促した。文科省では、来週にも、冬に向けた感染対策と臨時休校の考え方を示すガイドラインとして、衛生管理マニュアルの改訂版を公表する。

国会内で記者会見する萩生田光一文科相

萩生田文科相は、新型コロナウイルスの感染拡大について、「新規の感染者が2500人を超え、重症者の数も過去最高を更新しており、学校設置者や学校においても感染の拡大に最大限の警戒をする必要がある」と強調。学校設置者に「衛生管理マニュアル等に基づいた基本的な感染症対策が徹底されているか、改めて点検してほしい。また、保健所などと連携し、地域の感染状況の迅速な把握を進めてほしい」と要請した。

続けて、児童生徒の発症や重症の割合が低いことや、学校から感染が広がっている状況がないことを理由に、「現時点において、春先のような全国一斉休校を要請することは考えていない」と説明。地域単位の一斉休校についても「必要な場合に限定し、慎重に判断すべきだと思っている」と述べた。

また、これ以上の感染拡大を防ぐために、政府が今後3週間ほど集中して対応するよう求めていることに関連し、学校現場が取り組むべき感染症対策として、「非常に厳しい感染状況を踏まえ、学校においては今まで通りマスクの着用など、基本的な感染症対策をしっかり徹底してやっていただきたい。教職員については、大人数や長時間に及ぶ飲食など、感染リスクが高まる場面に細心の注意を払っていただきたい」と話した。

また、高校生については「クラスターと考えられる事例が複数発生している」として、「学校外を含め、マスクなしでの会話や、狭い空間での共同生活などの場面に、注意が必要であることを、生徒に丁寧に指導していただきたい」と注意を喚起した。

文科省では、来週にも衛生管理マニュアルの改訂版を公表し、寒い環境における換気の実施など、今後、学校が取り組むべき感染症対策のほか、感染拡大と臨時休校の考え方についてガイドラインを示す。これに関連して、瀧本寛・文科省初等中等教育局長は、その後の衆院文科委員会で「児童生徒の学びの保障と感染症対策を両立する観点から、臨時休校は真に必要な範囲にとどめるよう、衛生管理マニュアルを改訂して臨時休校の考え方を改めて示したい」と説明した。上杉謙太郎衆院議員(自民)への答弁。

一方、大学入学共通テストについて、萩生田文科相は閣議後会見で「厳格な感染予防策を講じた上で、予定通り実施する方向で準備している」と方針を改めて確認。その後の衆院文科委員会では、「仮に全国的な感染拡大があって、共通テストが予定通り実施できない場合であっても、日程を変更してでもやる準備として、いろいろシミュレーションをしている」と準備状況を説明した。笠浩史衆院議員(立民)への答弁。

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言については、西村康稔・経済再生担当相が11月26日の記者会見で「(感染爆発の)ステージ4となれば緊急事態宣言が視野に入る」と指摘。宣言を回避できるかどうかは「この3週間が正念場になる。集中的に対策を強化する」と述べている。

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