日本の保育者「長時間労働、給与満足度低い」 OECD調査

日本の保育者は労働時間が長く、給与への満足度も低いことが、OECD(経済協力開発機構)が11月30日に公表した「国際幼児教育・保育従事者調査2018」で改めて浮き彫りになった。調査に参加した9カ国のうち、常勤の保育者の1週間当たりの仕事時間(自宅への持ち帰りも含む)は最も長い50.4時間で、給与に満足している保育者の割合は、参加国で2番目に低い22.6%だった。

日本の保育者の労働時間は参加国の中で最も長い(OECD「国際幼児教育・保育従事者調査2018」より)

日本に次いで仕事時間が長いのは韓国(46.6時間)、チリ(44.3時間)で、最も短いのはアイスランド(33.5時間)。日本では、勤務年数が3年以下と短い保育者の仕事時間が、より長くなる傾向にあった。また活動準備や園の管理運営業務など、保育者が子供と接しない時間は1週間当たり16.9時間で、参加国で2番目に長かった。

また日本では若年層ほど給与に満足している保育者の割合が低く、29歳以下ではわずか17.6%だった。他国と比較すると、最も低いアイスランドで9.7%、最も高いトルコでも39.0%にとどまっており、参加国全体で給与への満足度が低い実態があった。

日本の保育者の給与満足度は低い(OECD「国際幼児教育・保育従事者調査2018」より)

日本の園では「他の保育者とともに、子供の育ちや生活の評価について話し合う」ことを毎日行っている割合(36.6%)が参加国で2番目に高いなど、保育者の間で積極的な協働が行われていることがうかがわれた。保護者会や園だよりなどで、保護者との公式なコミュニケーションを月に1回以上行っている園長の割合も96.5%と、参加国で最も高かった。

ただ「全体としてみれば、この仕事に満足している」と回答した保育者の割合は80.7%で、参加国で2番目に低かった。特に勤務年数が3年以下の保育者で満足度が73.8%と低く、3年超の保育者と比べて8.6ポイントもの開きがあった。

OECDの報告では「多くの国々で、幼児教育・保育部門に良質な教職員を育成、誘致、維持することに苦慮している。社会的地位が比較的低く、賃金も安いこと、そしてこの職業についての固定観念が、有能な候補者の意欲をくじく」としている。

またOECDのアンドレアス・シュライヒャー教育技能局長は「新型コロナウイルスの感染拡大で、ほとんどの国々が深刻な財政難に直面している中で、他の課題が差し迫っているために幼児期への投資が二の次にされるリスクが高まっている。同時に、幼児教育・保育部門の財政的な脆弱(ぜいじゃく)さにより、就業を志す人々の意欲や現在の就業者の継続への意欲が損なわれる恐れもある」と指摘する。

同調査は2018年に行われ、OECDに加盟するチリ、デンマーク、ドイツ、イスラエル、アイスランド、日本、韓国、ノルウェー、トルコが参加。保育者の養成と専門性向上、専門職としての信念、園での実践、仕事時間、仕事に対する満足度などを調べた。

日本では全国の国公私立幼稚園・保育所・認定こども園から無作為に選ばれた計216園の園長・所長、通常業務として3~5歳児の保育を担当する保育者(幼稚園教諭、保育士、保育教諭など)の、計1616人を対象に行われた。

次のニュースを読む >

関連
関連記事