ヨルダン、ネパールに届け! 児童ら総合学習でCD制作

ヨルダンやネパールの友達に向けたメッセージソングを小学生が制作し、CDとして発売する――。東京都北区立袋小学校の児童が、総合的な学習の時間をつかってヨルダンやネパールの子供たちと交流し、彼らに向けたオリジナルソングを作成して、販売するプロジェクトの報告会が11月28日、オンラインで開催された。主催したのは、東京都練馬区立石神井台小学校の二川佳祐教諭らが運営する、教育や地域に関連したイベントを開催するコミュニティ「BeYond labo」。

同プロジェクトの特設サイトではミュージックビデオも視聴できる

イベントには、プロジェクトを指揮した山下徹教諭(現・三鷹市立第三小学校)や、当時小学6年生でプロジェクトを体験した卒業生が参加。さらに実務的なサポートをした、エンターテインメント領域で社会問題を解決する企業「ワールドフェスティバル」の近藤祐希代表も登壇し、子供たちとのエピソードを語った。

プロジェクトに参加したのは昨年度の6年生70人で、総合的な学習の時間を使い、1年間という長期スパンで学びを深めた。「世の中から“関係ない”をなくす」をテーマに、ヨルダンの中学生やネパールの小学生とZoomや手紙などで交流しながら、世界で起こっている“他人ごと”を“自分ごと”として捉えられる力を養った。

お互いの住む町の良さを英語や写真、映像で紹介し合ったり、ネパールの伝統料理「モモ」を実際に作り味わったりなど、教科横断型で学びを展開。さらにプロジェクトの後半では、両国の仲間に向けた歌を制作。近藤代表やプロのミュージシャンの協力のもと、児童が作詞、作曲したほか、レコーディングを実施しCDを発売した。宣伝方法は児童自らが考え、ミュージックビデオも制作するなど、本物のアーティストさながらの経験をした。

山下徹教諭

山下教諭は総合的な学習の時間で大切にしている視点を、▽教科横断的な学びになること▽課題にかかわる概念をつかむこと▽探究のサイクル▽積極的に社会にかかわろうとする態度を育成すること――と整理。特に積極的に社会にかかわろうとする態度を育成するために、「ロールモデルとなる本物の大人と出会う」「リアルな体験があること」「社会とつながること」を重視していると説明した。

プロジェクトの途中では、現地の学校で教員のストライキが起こるなど、アクシデントも発生。また新型コロナウイルス感染症拡大による一斉休校の影響で、休校前の最終日に何とかレコーディングできた内情も明かされた。レコーディング日には卒業のタイミングと重なったこともあり、6年間の思い出を振り返り、涙を流す児童もいたという。

卒業生の一人は当時を振り返り、「自分が変われたと感じる」と話した。「今まで関係ないと思っていたことが、自分ごととして考えられるようになった。ニュースを見ても『そうなんだ』と流すだけじゃなくて、『どうしてこんなことが起こっているんだろう』と自分の頭で考えて、吸収できるようになったので自分でも驚いているし、うれしかった」と説明した。

また授業ではリフレクションシートなどを活用し、児童自らが学びを振り返り、理解を深める過程が大切にされたという。卒業生はその経験が卒業後も生きているとし、「別の物事につなげるにはどうすればいいか深く考えられるようになり、反省する力や成長に結び付いた。今でも学校が終わった後に、『あのときはどうすればよかったかな』と自然に考えられる」と話した。

参加者からはCDを販売した理由について質問があった。近藤代表は「内輪で楽しむだけでなく、世の中に正式な形で発表して、お金をいただき、社会とつながる経験を子供たちにしてほしかった。作品を買ってもらえるのは、自分の能力を認められたということ。その経験が、子供たちがポジティブに社会とつながっていけるための土壌になるのではないか」と話した。

児童が制作した音楽はワールドフェスティバルのホームページから確認できる。

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