中教審答申素案に意見募集へ 分科会で現場目線の指摘も

先月の中教審「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」で示された答申素案について、文科省は12月4日、パブリックコメントの募集を開始した。12月21日まで受け付ける。この答申素案は、同日開かれた特別部会の上部組織である初等中等教育分科会でも議論され、とりわけ新学習指導要領との関係など、学校現場で実践していく上で必要な論点が寄せられた。

4日の会合では天笠茂・千葉大学特任教授が「新学習指導要領と答申の関係は、現場の一番の関心事ではないか。新学習指導要領はすでに、答申の内容を具体化するための多くをとらえており、すでに具体的な推進が図られつつある。答申が明示していることについて現場の先生にお伝えし、受け止めていただく必要がある」と指摘。

分科会長の荒瀬克己・関西国際大学学長補佐・基盤教育機構教授も「答申素案では、新学習指導要領を進めていく上で必要なことをどうするか、ということを考えている。新学習指導要領を取るのか答申素案を取るのか、ということではない」と説明した。

全国連合小学校長会会長の喜名朝博・東京都江東区立明治小学校統括校長は、答申素案で「教育政策のPDCAサイクルを着実に推進していくことが求められる」としたことに触れ、「学校はビルド・アンド・ビルドで来ており、多忙化、長時間勤務の原因にもなっている。効果検証のなかで、(効果がなければ)『これはもうやめる』ということも考えてよい」と指摘した。

岩本悠・地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事(島根県教育魅力化特命官)は「教委や管理職には、答申素案の本文は読まれないのでは」と述べ、答申素案に盛り込まれた「社会に開かれた教育」のイメージを、タイトルや概要ではっきりと示すことを提案。喜名会長も「確かに(本文を)読まないこともある。より分かりやすく教職員に伝えていくのは、校長の仕事ではないか」と応じた。

中教審の初等中等教育分科会は今年10月、中間まとめを公表。その後も初等中等教育分科会の中に設けられた特別部会を中心に議論やヒアリングを続け、11月13日の特別部会で答申素案を提示した。中間まとめ以降の指摘を踏まえ、ICT活用や「個別最適な学び」と「協働的な学び」の考え方、高校改革に関する説明を充実させるなど変更を行い、12月4日、上部組織の初等中等教育分科会に報告された。

荒瀬分科会長はパブコメや委員からの指摘について、文言の加筆修正や前文などを加える形で反映し、総会での審議につなげる方針を示した。パブコメは郵送、FAX、電子メール、電子政府の総合窓口の意見提出フォームなどで受け付ける。また、現状の答申素案もこの意見提出フォーム上で読むことができる。

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