高校1人1台端末「来年から順次整備進めたい」 文科相

高校の1人1台端末整備について、萩生田光一文科相は12月4日、閣議後会見で、「せっかく小中学校でGIGAスクールがスタートするのだから、シームレスで高校に移行できるのが一番望ましい。多様な実態に合わせて、補正予算でその対応をしていきたい」と述べた。政府は追加経済対策を来週決定し、その内容を反映した今年度第3次補正予算案を編成することにしており、高校の端末整備についても盛り込まれる見通しになった。萩生田文科相は「(小中学校のように)同じスペックの端末を1台ずつ配ることを考えているわけではない」と高校生のニーズに対応する必要性を強調しつつ、「来年から順次、少しずつ整備を進めていきたい」と説明した。

高校の1人1台端末整備について説明する萩生田光一文科相

萩生田文科相は「高校におけるICTの環境整備に向けては、多様な実態がある。例えば、私立学校などで入学時に指定されたメーカーの端末を購入するものもあれば、地方財政措置を有効に使い、公立高校などで着実に台数を増やし、それに加えて県単独で補助をして、1人1台を完成している自治体もある。小中学校とは状況が違う」と述べ、自治体ごとに端末整備の実態にばらつきが出ていることを指摘した。

また、「職業専門高校などの場合は、スペックが高くCAD機能が整ったものとか、あるいは大きな画面で作業することが必要になる。小中学校に整備をしているようなタブレットなどでは、残念ながら授業で使い切れないという課題がある」とも話し、高校の普通科と専科ではICT端末に求められる性能や仕様が異なることにも触れた。

その上で、「小中学校でGIGAスクールがスタートするのだから、シームレスで高校に移行できるのが一番望ましい」と述べ、来年度から1人1台端末を使い始めた中学3年生が高校に進学したとき、高校でも1人1台端末で学べる環境が整っていることが「望ましい社会像」との考えを示した。

続けて、「将来的には1人1台環境を整備していく必要があると認識しているが、多様な実態に合わせて、補正予算でその対応をしていきたい。同じスペックの端末を1台ずつ配ることを考えているわけではない」「補正予算や当初予算など、いろいろな財源を確保しながら、できる限り子供たちに合ったものを提供できるような応援をしていきたい」と今年度第3次補正予算に盛り込む意向を明らかにした。

文科省が今年10月時点で公立高校の設置者である都道府県に、高校の1人1台端末の整備状況を聞いたところ、今年度に1人1台端末を整備済み、あるいは整備できる見込みと答えたのは、47都道府県のうち12自治体だった。また、山梨県と広島県は2021年度に入学する生徒から1人1台端末を整備し、年次進行で3年掛かりで整備する計画を立てている。このほか、1人1台を整備目標としてこれから整備を行うとした都府県も12自治体あった=表参照

高校の1人1台端末の整備状況

文科省では、「教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画」(2018~22年度)で、自治体が使途を判断する地方財政措置として、3人に1台のICT端末整備ができる経費をすでに手当てしている。1人1台端末の整備を進めている都府県は、こうした地方財政措置に加えて、自治体の独自財源を投入したり、国からの新型コロナ臨時交付金を活用したり、一定の保護者負担を求めるなどの施策を組み合わせて対応している。

文科省が自民党文科部会に提出した資料によると、こうした取り組みによって、地方自治体がすでに整備した高校の1人1台端末は約89万台に上り、公立高校に通う高校生の46%をカバーしている。

今後は、自治体ごとにまちまちとなっている端末の整備状況や、工業高校や商業高校など専科のニーズなどを踏まえながら、政府が積み増しを検討している新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金など国費の追加投入を視野に、来週決定される追加経済対策と、その実現を図る今年度3次補正予算などで、高校の1人1台端末整備の実現に向けた取り組みが加速されることになりそうだ。今年度第3次補正予算は来年度予算と続けて執行する、いわゆる「15カ月予算」となり、実際に自治体が端末整備に取り組むのは来春以降になる見通し。

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