子供向けの読み聞かせ休止 公立図書館の3分の1、現在も

東京大学発達保育実践政策学センターは12月4日、ポプラ社との共同研究による、「デジタル時代の子供の読書環境」をテーマにしたオンラインシンポジウムを開いた。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言に伴い、公立図書館の約9割が貸し出しサービスをできなかったことや、子供向けの読み聞かせや「おはなし会」を現在も休止している図書館が3分の1を占めるなど、コロナ禍が子供の読書環境にもさまざまな影響を与えているとの調査結果が報告された。

同センターの高橋翠特任助教は、コロナ禍での子供の読書環境の実態を調べる目的で、緊急事態宣言以降の公立図書館の対応状況についての調査を実施。

その結果によると、緊急事態宣言中に貸し出しサービスが利用できないことがあった図書館は88.2%で、現在も入館者の人数制限を実施している図書館が17.1%あることなども分かった。さらに、子供向けの読み聞かせや「おはなし会」を現在も休止中と回答した図書館も32.6%あった。

シンポジウムに登壇した東京大学大学院教育学研究科長の秋田喜代美教授は、シンポジウム後のメディアとの質疑で、図書館のデジタル化と子供の読書環境の課題について、調査結果を踏まえ、「コロナ禍で公立図書館でも電子化を進める試みが出てきた。GIGAスクール構想で子供たちのICT環境もそろう。大きな問題は、子供用の電子書籍の数が極めて限られ、良質なものの無償提供は難しいということだ。どのように対応していくか、考えていく必要はある」と指摘した。

同調査結果は、10月下旬に全国の公立図書館・図書室を対象に調査票を送付し、11月17日時点で全体の34.2%に当たる1104館から得た回答を集計した速報値。

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