【集団感染】中学校で最大級 近距離の合唱「高リスク」

埼玉県川越市の市立野田中学校で発生した、新型コロナウイルスの35人のクラスターは、これまで中学校において複数の感染者が確認された事例では最大級となる。

同一の学校において複数の感染者が確認された事例(文科省集計)

文科省が6月1日から11月25日までに集計したデータによれば、20人以上の感染事例は中学校で1件のみだった。9月以降、11月25日までに10人以上の感染者が確認されたケースでは、高校での事例が多く、同省は行動範囲が広がる高校生への感染症対策の徹底を呼び掛けていた。

ただ、同省が学校での具体的な感染対策の方法を示した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」では、校種を問わず、音楽での「室内で児童生徒が近距離で行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカなどの管楽器演奏」を、感染症対策を講じてもなお、かなり感染リスクが高い学習活動の一つとしている。

合唱の練習が感染拡大の原因とみられる事例は、11月に兵庫県市川町立市川中学校でも発生している。

全日本合唱連盟が11月26日に公表した「合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン」(第2版)では、専門家の監修や実験などを基に、合唱の練習時は飛沫(ひまつ)拡散防止のためにマスク着用が望ましいとし、▽マスクを着用しない場合には、発声する前方向に1.5メートル程度、左右は密にならない程度の距離を確保し、向かい合う配置は避ける▽立っている人と座っている人が混在しないようにする▽連続した練習時間は30分以内とし、5分以上の換気を行う▽楽譜やプリント類の共有を避ける――などを求めている。

同連盟事務局の野口翔さんは「歌うことそのものよりも、練習中に隣の人と話す、飲食する、楽譜を共有するといった方が感染リスクはある。それらにも十分に気を付けてほしい」とアドバイスする。

前回の文科省の衛生管理マニュアル改訂(9月3日)から11月25日までに、10人以上の感染者が確認された事例(文科省集計)

文科省の衛生管理マニュアルで、合唱のほかに特にリスクが高いとされている各教科の活動は▽児童生徒が長時間、近距離で対面形式となるグループワークなど、及び近距離で一斉に大きな声で話す活動(全教科)▽児童生徒同士が近距離で活動する調理実習(家庭、技術・家庭)▽児童生徒が密集する運動や、近距離で組み合ったり接触したりする運動(体育、保健体育)。

他にも、児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察(理科)、児童生徒同士が近距離で活動する共同制作などの表現や鑑賞の活動(図画工作・美術・工芸)についても感染リスクを指摘し、感染者の急増期にはこうした活動を行わないこと、漸増期でも接触や密集、近距離での活動、向かい合っての発声を避けることを呼び掛けている。

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