公立小中の車いす用トイレ設置65% 文科省、整備要請へ

文科省は12月10日、公立小中学校施設のバリアフリー化の状況に関する調査結果(速報値)を公開した。全国の公立小中学校(2万8131校)のうち、校舎に車いす使用者用トイレを設けている学校は65.0%、スロープによる段差解消は門から建物の前までが78.3%、昇降口・玄関から教室までは57.2%にとどまった。また、エレベーターの設置率は27.1%だった。

今後のバリアフリー化の予定(文科省「公立小中学校施設におけるバリアフリー化の状況調査結果(速報値)」より)

配慮が必要な児童生徒や教職員が在籍する学校(6451校)でも、校舎での車いす使用者用トイレの設置率は78.0%、エレベーターの設置率は40.5%にとどまった。スロープによる段差解消は、門から建物の前までが84.9%、昇降口・玄関から教室までは71.6%だった。

また避難所に指定されている学校(2万2633校)でも、校舎での車いす使用者用トイレの設置率は66.7%、エレベーターは27.2%だった。スロープによる段差解消は、門から建物の前までが78.3%、昇降口・玄関から教室までは58.6%だった。

今後のバリアフリー化の計画や方針などがある学校設置者は14.9%で、2022年度以降までに車いす使用者用トイレの整備率は71.2%、エレベーターの整備率は30.8%となる。

文科省の大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課の森政之課長は「特別な配慮が求められる児童生徒が増加していることや、自然災害時に避難所となるという観点からバリアフリー化が求められているが、介護が必要な児童生徒が在籍している状況でも、トイレ、スロープ、エレベーター(の整備状況)は、それぞれまだ十分ではない」と指摘。

また「学校施設整備の課題はさまざまで、耐震化や長寿命化などいろいろ(な整備が必要な施設が)ある中で、設置者がバリアフリー化には十分に取り組まなかった面もある」と、その背景を説明した。

12月10日に開かれた「学校施設のバリアフリー化等の推進に関する調査研究協力者会議」の第4回会合では、25年度末までに▽避難所に指定されている全ての学校で、車いす使用者用トイレを整備する▽要配慮児童生徒が在籍する全ての学校にエレベーターを整備する▽全ての学校でスロープなどによる段差解消を整備する――といった具体的な整備目標案が提示された。

文科省は同会議が今後取りまとめる報告書に基づき、今年度中に整備目標を示し、設置者に対して計画的な整備を要請する通知を出すとともに、自治体への財政支援を拡充することを検討している。

今年5月のバリアフリー法改正により、21年4月以降は公立小中学校で一定規模以上の新築・増築・改築を行う場合、バリアフリー基準に適合することが義務付けられる。また、既存の施設についても、バリアフリー基準の適合に向けた努力義務が課される。

今回の調査は全国の公立小中学校と設置者を対象に、今年5月1日時点のバリアフリー化の状況や整備計画の策定状況、バリアフリー化の予定などを尋ねた。今月下旬には都道府県別の集計結果など、詳細を公表する。

次のニュースを読む >

関連

あなたへのお薦め

 
特集