バス通学は健康や学習に影響するか? 調査結果を公表

学校統合や小規模校の魅力的な学校づくりについて考える、文科省主催の「学校魅力化フォーラム」が12月11日、オンラインで開催された。少子化・人口減が急速に進む中で、全ての地域の学校で個別最適化された学びを実現するための学校教育の在り方について、事例や研究発表があった。遠隔地からの通学に欠かせないスクールバス通学が、児童生徒の健康や学習面に及ぼす影響についての調査結果などが公表された。

同調査は、東京学芸大学教育学部養護教育講座の朝倉隆司教授が発表。スクールバス通学と、スクールバス通学ではない小中学生(小学3年生~中学2年生)を対象に、生活や健康・体力、学習に及ぼす影響についてアンケート調査した。

まず通学時のストレスについて、小学生ではバス通学群、非バス通学群の間に違いはほとんど見られなかった。一方、中学生では「快適である」と回答したのが、非バス通学群で49.1%、バス通学群は37.5%で、バス通学群が下回る結果となった。

また、通学手段による心身の影響についても比較。通学が「運動になり、体力がつく」と回答したのは、小学5・6年生で、非バス通学群は68.3%、バス通学群は36.9%。同じく中学1・2年生で、非バス通学群は62.6%、バス通学群は26.8%にとどまった。

通学が「疲れる」と回答したのは、小学5・6年生の非バス通学群が45.5%、バス通学群が32.3%。同じく中学1・2年生の非バス通学群は56.7%だったものの、バス通学群は29.7%にとどまった。

「好きなことをして、リラックスできる」「朝、食事をする時間がない」「睡眠時間が足りない」では、小中学生とも通学手段による差異はほとんど見られなかった。

さらに教員のアンケート結果も公表。教員からは▽登校時の出迎えや見送り、点呼などが負担▽保護者がバス会社と直接やり取りできないので、遅刻や早退など急な変更を連絡しなければならない▽バスの運行時間を優先して、会議や授業準備など業務スケジュールを立てなければいけない――などの意見があった。

朝倉教授はこれらの結果を踏まえ、スクールバス通学の影響は両義的であり、良否を単純に認められないとしつつ、「通学の距離や時間という物理的条件は変えられないが、それを補うヒントや理解が得られたのではないか」とまとめた。

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