日本版DBS「非常に有効」 わいせつ教員対策で文科相

学校や幼稚園など子供と接する仕事への就職を希望する人に性犯罪歴がないことを証明する、日本版DBS(Disclosure and Barring Service)の制度創設について、萩生田光一文科相は12月11日の閣議後会見で、「職種横断的な仕組みは非常に有効だ」と指摘し、法務省や厚労省など関係省庁の動向に応じて積極的に協力する考えを示した。児童生徒へのわいせつ行為で懲戒処分を受けた教員が、子供と接する別の職業に就くことが問題視されているのを踏まえ、萩生田文科相は「大きく俯瞰(ふかん)して子供たちを守っていく仕組み作りは、今後必要だと思う。省庁の壁を越えて検討したい」と述べた。

わいせつ教員対策の取り組みを説明する萩生田光一文科相

DBSは、子供に対する性犯罪被害の防止を目的に、性犯罪歴がないことを公的機関が発行する「無犯罪証明書」で証明できる制度。先行して導入している英国では、ベビーシッターや保育士、教員、塾講師など、子供と接する仕事やボランティアに従事する人は、官民を問わず、この制度で無犯罪証明書を取得して提示する必要がある。日本では今年7月、保育士や教員から性的被害を受けた児童の保護者らの訴えを受けたNPO法人フローレンスが制度創設を提唱。12月2日には自民党の野田聖子衆院議員らが上川陽子法務相に日本版DBSの創設を要望した。

萩生田文科相は「子供に対してわいせつ行為を行うことは言語道断。決して許されるものではない。この問題は教員だけでなく、例えば、学習塾や児童相談所など、子供と日常的に接する職に共通する問題であると認識している」と説明した。

その上で、英国の事例について「英国には教員のみならず、保育士や学校のボランティアなど、子供と日常的に接する職種に就く場合に、雇用主が内務省所管の機関に照会することにより、性犯罪の前科などがないことの証明を求める、職種横断的な仕組みがある」と言及。「子供たちをわいせつ行為の被害から守る仕組みとして、このような職種横断的な仕組みは、わが国にとっても非常に有効であると、私は受けとめている」との見解を明らかにした。

今後の取り組みについては「(自民党議員の)要望を受けた法務省の動向を注視したいが、文科省としてもその動向に応じて関係省庁に可能な協力を行っていきたい」として、制度創設に向けて積極的に協力する姿勢を見せた。

文科省では、児童生徒などへのわいせつ行為で処分を受ける教員が過去最多となっている事態を重視して、都道府県教委などが教員の採用に当たり、過去の懲戒免職処分歴を確認することができる「官報情報検索ツール」の検索可能期間を、「過去3年間」から「過去40年間」へと大幅に延長したほか、わいせつ行為で懲戒処分を受けた教員の再任を避けるため、来年の通常国会で教育職員免許法の改正を目指している。ただ、懲戒処分を受けた教員の再任を禁止する法改正については、再任を認める他の免許制度や、刑法上の「刑の消滅」などとの整合性から、内閣法制局などとの調整が難航しているとされる。

萩生田文科相は「教員免許について法律の立て付けや概念で難しいところもある。仮に教員免許は剥奪できたとしても、子供たちと接する他の職種に流れた場合には、それを止めることができない」と問題点を説明。その上で、日本版DBSについて「こういう大きく俯瞰して子供たちを守っていく仕組み作りは、今後必要だと思う。省庁の壁を越えて検討したい」と言葉を結んだ。

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