山梨県の長崎幸太郎知事は12月11日、萩生田光一文科相に面会し、「新型コロナウイルスに感染した大学等受験者への受験機会の確保に向けた緊急要請」を申し入れた。新型コロナウイルス感染により高校生が大学などを受験できない場合、代替日程を設定するなどの柔軟な対応を行うことが重要だとして、大学に対する協力依頼を行うよう求めた。今後、全国知事会としても政府に要請するという。

面会後に記者会見した長崎知事によれば、萩生田文科相も同様に、感染した受験生の受験機会確保を重視する考えで、「これまでも幾度となく大学関係者に協力を依頼してきたが、改めて働き掛けを強める」と述べたという。
長崎知事は「どんなに気を付けていても感染することはありうるわけで、自己責任では片付けられない問題」と話した。
同行した山梨県教委の斉木邦彦教育長は「(代替日程や追試験などの機会を)用意をしている大学も多いが、募集要項から読み取れない、あいまいな部分があるなど、生徒や学校が苦しんでいる。生徒と保護者で相談をして(受験を)辞退をしている場合もある。また、大学ごとに対応がまちまちで、受験生を悩ませている」と述べた。
要請文では、山梨県内で12月7日までに県立高校2校でクラスターが発生したことに触れ、「特に3年生の進路への影響が懸念されている」と指摘。学校推薦型・総合型選抜が始まっているが、「現時点においてすでに、感染を理由に総合型選抜の受験を断念せざるを得ない生徒も出ている」とした。
また、「感染の収束が楽観できない現状にあっては、今後も新型コロナウイルス感染により大学受験に影響を受ける生徒が増加することも懸念される」として、感染により受験ができない場合の代替日程・追試験の設定など、柔軟な対応を改めて要請した。
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