大川小津波事故を踏まえ 防災対策の抜本的見直しを提言

東日本大震災による津波で74人もの児童が犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校の事故を踏まえ、宮城県教委の検討会議は12月14日、学校防災の抜本的な見直しに関する提言を盛り込んだ報告書を取りまとめ、県議会に報告した。震災から間もなく10年を迎えることから、教職員がその記憶と教訓を継承し、災害時に適切に対応できる能力を養成することや、地域の災害特性を踏まえた学校防災体制の構築などをうたった。

検討会議は、昨年10月に大川小の津波訴訟で学校の事前防災の不備を認めた判決が確定したことを受けて2月に設置され、委員長の今村文彦・東北大学災害科学国際研究所所長を中心に、学校の防災に対する取り組みの調査・検証を実施。今後の取り組みに向けた方向性を報告書としてまとめた。

その中では、検証を踏まえた新たな学校防災体制の構築に向けた提言として▽教職員のさまざまな状況下における災害対応力の強化▽児童生徒が自ら命を守り、他者を助ける力の育成▽地域の災害特性を踏まえた、実効性のある学校防災体制の整備▽地域や関係機関との連携による、地域ぐるみの学校防災体制の構築――の4つの基本方針を掲げ、大川小事故のような当初の想定を超える状況に対しても、教職員や児童生徒が適切に対応できる力を育成する必要性を強調。

県教委などに対しては、管理職や若い世代の教職員が、当時の経験や教訓を生の声で学べるよう、被災地訪問をはじめとした研修を実施し、教職員が高いレベルの防災知見を持ち、不測の事態にも適切に対応できる能力を養成するよう求めた。

学校には、防災教育をより充実させ、災害時における自分自身の避難計画である「マイ・タイムライン」や「災害・避難カード」の作成、地域の防災マップづくりといった取り組みを採り入れるなどして、児童生徒が防災を自分事として捉え、適切に状況を判断し、行動できる力を育成する必要があるとした。

また、学校防災マニュアルに、その地域で起こり得る災害や、地震による火災で校舎が使用できない場合など、二次被害を想定した内容を明記し、過去の災害やハザードマップの想定を超えるような災害に備えるため、複数の避難場所や避難経路を設定するとともに、防災訓練による検証の実施なども明記した。

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