少人数学級への提言、来年度に見送り 教育再生実行会議

政府の教育再生実行会議は12月16日、初等中等教育ワーキング・グループ(初中WG)で来年度の予算編成に向け、今月をめどに取りまとめを目指していた少人数学級に関する提言を見送ることを表明した。有識者間でさらに深い議論が必要だとして、教育再生実行会議全体の提言をまとめるタイミングに合わせ、来年5月に取りまとめを行うことを目指す。

記者会見で少人数学級に関する提言の見送りを説明する鎌田薫副主査(右)と池田貴城室長

会合後に記者会見した初中WGの鎌田薫副主査は「初中WGで何回も議論してきたが、『即座に、一律30人学級にする』という意見でまとまっているかというと、そうではない。一気に進めることが難しいとしたら、現在の初中教育が抱えている課題の中で何を優先的にやるべきなのか、どこから進めていくのかも含めて、もう少し議論をしたほうがよいという意見が比較的多い」と説明。

また「少人数教育は何を目標としていて、どうすればその目標が達成できるのかという議論をしないと、社会全体の納得を得ることも難しいだろう。より深みのある議論をしていきたいと考えている」として、「来年度の概算要求に反映できるくらいのスピード感でやっていく」と述べた。

内閣官房教育再生実行会議担当室の池田貴城(たかくに)室長は「少人数を目指すという大きな方向性は変わっていないが、それだけではなく、多様な人材の学校運営への参加や、教員の資質向上、働き方改革などを、少人数化を中心にトータルで進めていくべきだという意見が出ている」と説明した。

今年9月に行われた初中WGの初会合では「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備や、関連する施設設備などの環境整備を進める方向で、当WGで議論する」とした合意文書を採択し、大きな方向性を定めた。文書内で「今後、予算編成の過程において、関係者間で丁寧に検討することを期待する」としたことから、来年度予算の編成に合わせ、少人数学級の実現を後押しする提言を12月にまとめることを検討していた。

ただ池田室長は「9月に示した方向性以上に掘り下げた議論には、もう少し時間をかける必要があり、萩生田光一文科相や主査らと相談した上で、このタイミングでの提言は見送った。来年度予算で(少人数学級の実現に向けた)何らかの成果が得られれば、それを踏まえて年明けから議論を続ける」と説明した。

前回の初中WGの第4回会合では、一律に学級規模を縮小するというより、ポストコロナ期の新たな学びを実現することを念頭に置くべきではないかという意見が出され、教員に求められる新たな指導力なども考慮に入れつつ、適正な規模を検討することの必要性が示唆されていた。

初中・高等教育合同WGであいさつする萩生田光一文科相

来年度予算編成における少人数学級の方針に関しては、17日にも麻生太郎財務相と萩生田光一文科相の事前閣僚折衝が開かれ、来週21日には来年度予算案の財務省原案が閣議決定される見通しとなっている。

同じく12月16日に行われた、教育再生実行会議の初中・高等教育合同WGの初回会合では、少人数学級に関する議論は行われず、1人1台環境の到来に向けた手引きの作成や、学習データの分析などについて、有識者からさまざまな意見が出された。また、大学の入学時期を多様化・柔軟化していく方向で、おおむね一致した。

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