コロナ禍で世界の児童労働が増加 初めての白書で懸念示す

デロイトトーマツコンサルティング合同会社は12月17日、世界各地の児童労働の実態を初めてまとめた『児童労働白書2020―ビジネスと児童労働―』に関するオンラインセミナーを開催した。コロナ禍によって児童労働が増える可能性があるとの懸念を示し、企業側の人権ビジネスの取り組みに期待を示した。

初めて発行された『児童労働白書』

白書は12月10日に公表され、国際的な児童労働の実態、その撤廃に向けた国際機関や各国政府、NPOなどの取り組み、ビジネスにおける課題などを取り上げている。

それによると、2016年時点で、世界の子供の10人に1人に相当する1億5200万人が、児童労働に従事している。2000年以降は減少が続いているが、国際労働機関(ILO)や国連児童基金(UNICEF)では、コロナ禍の影響で児童労働に従事する子供の数が20年ぶりに増加すると懸念している。家庭の収入減少による児童労働への依存の高まりに加え、休校や移動制限によって、教師や国際的な支援団体の監視の目が届きにくくなったことなどが背景にあると指摘されている。

また白書では、不買運動や取引停止など、児童労働がビジネスに与える負の影響についても強調。児童労働の廃絶も含まれている、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への関心の高まりから、今後、児童労働を含む人権ビジネスへの対応強化が重要になるとした。

セミナーに登壇した、白書の制作に協力した児童労働問題に取り組むNPO法人「ACE」の岩附由香代表は「児童労働は減少傾向にあったが、初めて増加するリスクにある」と警鐘を鳴らし、「児童労働がなくならないのは、供給と需要が成り立っているからだ。子供を労働へ押し出す家庭の貧困問題や学校へのアクセスは、NPOなどでアプローチできる。しかし、需要側である、安い労働力に支えられている経済・ビジネスは、なかなかわれわれが変えられるものではなく、ビジネスセクターの協力が必要になる」と、ビジネス界の取り組みに期待を寄せた。

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