少人数学級を巡る来年度予算案について、麻生太郎財務相と萩生田光一文科相の事前閣僚折衝が12月17日、財務省で行われ、現在は40人(小学1年は35人)と定められている公立小学校の学級編制を、来年度から5年間をかけて、段階的に全学年で35人に引き下げることで合意した。中学校は現行の40人を維持する。小学校の全学年で「35人学級」が実現すれば、学級編制を1980年から12年間をかけて45人から40人に引き下げて以来、40年ぶりの改革となる。文科省は30人学級の実現を求めて折衝を続けてきたが、財務省が財政負担の増加を理由に反対。小学校に限定して、上限を35人とすることで両省が折り合った。

事前閣僚折衝の終了後、文科省で記者会見した萩生田文科相は「今後5年間かけて約1万4000人の教職員定数の改善を図っていく。教室不足への対応などを各自治体の実情に応じて柔軟な対応ができるよう、必要な措置の検討を進める。教職員定数の適正な管理や、新たな学びを支える優秀な人材の確保のための取り組みについて、国と地方が連携し、定期的に検証改善を図るための協議の場を設けたい」と話した。
学級編制を引き下げると、学級数が増えて教員増が必要になる。文科省によると、今回は、既存の加配定数の一部を基礎定数に振り替えることや、児童生徒の自然減などにより、小学校全学年の「35人学級」を実現できる、という。文科省は来年1月に始まる通常国会に、学級編制の変更を明記した義務標準法の改正案を提出する。
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