教育事業を展開するスプリックスが設立したスプリックス基礎学力研究所は12月17日、日本を含む11カ国の6~15歳の子供1万1000人を対象に実施した、基礎学力に関する調査の結果を公表した。日本は平均正答率で11カ国中4位だったものの、6~9歳に限ってみると、11カ国中9位となり、低学年の基礎学力に課題がみられた。

調査結果によると、11カ国全体の平均正答率は66.3%、6~9歳では61.5%、10~15歳では69.4%だった。日本は全体の平均正答率が70.3%で、6~9歳が53.3%、10~15歳が81.6%と、他国と比べて差が大きいことが分かった。
また、「計算が好き」と答えた割合は、11カ国全体では77.8%なのに対し、日本は57.1%、「計算には自信がある」と答えた割合は11カ国全体で76.9%なのに対し、日本は49.1%と、他国と比べて学習への意欲や自信が低い結果となった。
同調査は2020年8~9月に、日本、米国、中国、インド、英国、フランス、ポーランド、タイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマーの各国の、6~15歳の子供計1万1000人(各国1000人ずつ)に対し、インターネットで学習に関するアンケートと、50問の計算に関する基礎的なテストを実施。これに加え、子供の保護者の同じく計1万1000人にもアンケートを行った。
同研究所の梅田修平所長は「塾で教えていて、方程式を理解できても単純な計算ミスをするなど、基礎学力が欠如している子供が多いと感じていた。そこで、まずは基礎学力にフォーカスして科学的なファクトをつかもうと考えた。ここまで日本が深刻な状態になるとは思わなかった」と指摘した。
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