わいせつ行為・セクハラでの懲戒処分 過去2番目の多さ

2019年度にわいせつ行為やセクシュアルハラスメントにより処分を受けた公立学校の教員の数が273人に上り、昨年度の282人に次ぐ過去2番目の多さとなったことが12月22日、文科省の公表した「令和元年度公立学校教職員の人事行政状況調査」で明らかになった。うち懲戒免職とされたのは153人。文科省は「極めて深刻に受け止めている」として、児童生徒に対してわいせつ行為に及んだ教員を原則、懲戒免職とすることなどを徹底するとした。

わいせつ行為・セクシュアルハラスメントでの懲戒処分などの状況

処分を受けた教員を学校種ごとに見ると▽小学校 80人▽中学校 81人▽義務教育学校 1人▽高校 92人▽特別支援学校 19人。性別では男性266人、女性7人。

うち強制性交、強制わいせつなどのわいせつ行為で処分を受けたのは174人。わいせつ行為の相手は自校の生徒が32.8%で最も多く、次いで18歳未満(24.7%)、自校の児童(10.9%)となり、自校の児童生徒が被害に遭う実態が改めて浮き彫りになった。わいせつ行為が発覚したきっかけは、「警察からの連絡など」が43.1%で最も多く、次いで「一般の教職員への相談」(19.5%)だった。

わいせつ行為の相手

児童生徒に対するわいせつ行為により処分を受けたのは126人で、うち121人は懲戒免職とされたが、5人は停職にとどまった。文科省は児童生徒に対してわいせつ行為に及んだ教員は原則、懲戒免職とすることを求めているが、実際の処分権限は自治体にあり、懲戒免職としない判断がなされるケースがある。文科省の担当官は「懲戒免職となっていないケースを十分に分析した上で、取りうる措置を検討する」とした。

文科省は今年9月、児童生徒へのわいせつ行為に及んだ教員を原則、懲戒免職処分とする方針について、「個別に指導してきた結果、全ての都道府県・指定都市教委の懲戒処分基準において、その旨の規定が整備される見込みとなった」と公表している。

懲戒免職処分で教員免許状が失効した場合、免許状の種類・失効の事由・氏名・本籍地を官報に掲載することが教育職員免許法で定められている。官報に掲載された免許状の失効情報は、文科省が提供する「官報情報検索ツール」を用いて、採用権者である都道府県・指定都市教委が検索できるようになっている。

文科省はこれまで直近3年間となっていた同ツールの検索可能期間を、今年10月末に直近5年間、来年2月には直近40年間へと大幅に延長し、都道府県・指定都市教委によるわいせつ教員の再任対策を支援するとしている。

また性犯罪の再犯率の高さを考慮し、懲戒免職処分を受けても3年が経過すれば免許状を再取得できるという現行の教育職員免許法を、より厳しく見直すことを検討しているほか、萩生田光一文科相は日本版DBS(子供と接する仕事への就職を希望する人に、性犯罪歴がないことを証明するシステム)の制度創設についても意欲を示している。

さらに今回の調査結果を踏まえ、文科省は▽学校環境整備や教育指導体制の見直し、児童生徒とSNSなどによる私的なやりとりを行ってはならないことの明確化などを含め、わいせつ行為などを生じさせないための予防的な取り組み▽各教委の人事担当者を集めた研修会などにおいて、取り組み事例の共有を図るなど、あらゆる機会をとらえて、わいせつ行為などの防止に向けた取り組み――を推進するとしている。

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