教員の時間外勤務にコロナ影響 再開後、月45時間以下が減

文科省は12月25日、全国の教育委員会に対して悉皆(しっかい)で実施した2020年度「学校の働き方改革のための取り組み状況調査」の結果を公表した。コロナ禍による休校の影響で、4~6月は月当たりの時間外勤務が45時間以下となった割合が前年度より増加した一方、学校が再開した7月以降では、その割合は前年度より減るなど、学校再開後の消毒作業や夏休みの短縮で、長時間労働に拍車がかかっている状況が浮き彫りとなった。

4~6月の時間外勤務の比較

調査結果によると、20年9月1日時点で、ICカードやタイムカードなどの客観的な方法で勤務実態を把握している割合は、都道府県で91.5%(前年度比25.5ポイント増)、政令市で85.0%(同10.0ポイント増)、市区町村で71.3%(同23.9ポイント増)と大幅に増加した。

4~8月の時間外勤務時間について、国の指針における上限である月45時間以下だった割合をみると、小学校では▽4月 81.1%(前年同月比32.9ポイント増)▽5月 88.0%(同39.8ポイント増)▽6月 52.7%(同6.0ポイント増)▽7月 57.7%(同5.1ポイント減)▽8月 92.6%(同3.9ポイント減)。

中学校では▽4月 81.2%(同48.0ポイント増)▽5月 86.6%(53.1ポイント増)▽6月 42.3%(9.0ポイント増)▽7月 41.5%(同2.8ポイント減)▽8月 78.7%(同7.8ポイント減)――となり、4~6月は割合が増加する一方で、7~8月は割合が減少した。高校と特別支援学校でも4~6月は同様の状況だった。

勤務時間が増えた要因としては「長期休業期間の短縮」や「教員による清掃・消毒作業」「分散登校の実施」などが挙がった。一方で、勤務時間が減った要因としては「学校行事の中止・延期または縮小」や「部活動の活動時間の短縮または自粛」が多く挙がった。

また、休業による学習の遅れを取り戻すための補習などで、教員の負担軽減を図るために学習指導員を配置した割合は、都道府県で68.1%、政令市で100%、市区町村で60.2%だった。配置していない自治体のうち、特定警戒地域に該当していない自治体が7割を占めた。

感染症対策の対応のための消毒作業や事務作業などを担うスクール・サポート・スタッフは、都道府県の85.1%、政令市の100%、市区町村の78.1%で配置が行われていた。部活動指導員の配置は、都道府県と政令市では100%だったのに対して、市区町村では64.3%にとどまった。

学校閉庁日は、都道府県の95.7%、政令市の95.0%、市区町村の97.2%で設定するなど、全国的な取り組みとなっている。日数では、5日未満が約半数、5~10日未満が4割程度だった。

留守番電話の設定をすでに実施しているのは、都道府県の66.0%、政令市の90.0%、市区町村の40.9%となった。

今回新たに聞いた、労働安全衛生法で定められているストレスチェックの実施状況では、都道府県、政令市では100%なのに対し、市区町村では80.7%だった。

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