【緊急事態宣言】入試は「予定通り」 受験機会確保を要望

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が首都圏への緊急事態宣言の発令を検討していることを踏まえ、萩生田光一文科相は1月5日、今月に予定されている大学入学共通テストについて「感染防止対策に万全を期した上で、予定通り実施する」との姿勢を明らかにした。各大学が実施する一般選抜・個別学力検査については、「感染防止対策の徹底や選抜方法などの工夫により、各大学において適切に実施いただきたい」としたほか、追試験など受験生が感染した場合の受験機会の確保を求めた。

感染対策や受験機会の確保を行った上で、予定通り入試を実施することを求めた萩生田光一文科相

また高校入試、中学入試などについても、「受験生同士の間隔を広くとることや、試験会場への入退場時間をずらす、また休憩時間も極力会話を避けるように注意喚起するなどの感染症対策と、受験機会の確保に万全を期した上で、予定通り実施をしていただきたい」と、自治体や学校法人など入試の実施者に要望した。

大学入学共通テスト

大学入試センターが昨年11月、大学や受験生などに向けて示した感染対策の方針によれば、地域により感染が拡大した場合は2週間ほど前から毎日、検温などの健康観察を行うこととしている。また、試験当日は試験開始前に体調を確認することや、体調不良者には追試験の受験や別室受験を勧めることなどを示している。

大学入試センターの担当者は「すでに第1日程まで2週間を切っているが、緊急事態宣言が発令された地域は感染が拡大しているとみなし、できるだけ長く健康観察をしてほしい。緊急事態宣言の対象でなくても、地域で感染が拡大していると判断される場合は十分な健康観察をお願いしたい」と話した。

図表:追試験や別日程の振替などの配慮を行う大学の割合(文科省「新型コロナウイルス感染症対策に伴う試験期日及び試験実施上の配慮等の対応状況」より)

大学入試センター試験に代わる初の大学入学共通テストは、第1日程が今月16・17日、第2日程が今月30・31日に予定されている。第2日程を受ける予定だった受験生が体調不良などで欠席した場合は、2月13・14日の特例追試験を受けられる。大学入試センターが昨年12月に公表した志願者数は53万5245人で、うち84.0%が第1日程での受験を予定している。

一般選抜・個別学力検査

各大学が個別に実施する一般選抜について萩生田文科相は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会での審議を経て昨年10月に改訂された「令和3年度大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」に基づく感染対策の徹底を求めた。

同ガイドラインでは「試験中は基本的に試験問題を解くことに集中し、他者との交流・接触を行うものではないことから、感染拡大の防止策をあらかじめ講じておけば、むしろ社会経済活動としては、その感染拡大のリスクは比較的低位に分類される」と指摘。試験室での受験生の人数を収容定員の半分程度以内とすることや、座席間の距離の確保、消毒の実施、別室の確保などの対策を示した。

萩生田文科相はまた「受験生が安心して実力を発揮できるように、受験機会を確保することが重要」と強調した。文科省の集計(昨年12月15日時点)によれば、国公立大学では追試験、私立大学では追加の受験料を徴収せずに別日程への受験の振替を実施するケースが多く=図表=、全体では97.7%が、追試験など感染者の受験機会の確保のための何らかの配慮を実施すると回答している。

さらに一般選抜では全国的な受験生の移動が予想されることから、「受験生が利用する宿泊施設や公共交通機関における感染症対策の徹底と、試験場やその周辺、および公共交通機関でも密集状態を作らないことなどについて、厚労省や国交省、経産省、観光庁とも連携しながら、関係各所に要請を行うなど、政府全体で受験生の皆さんをサポートしていく」と述べた。

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