雇用に苦慮の企業と学校つなぐ シェアリンク開設へ

新型コロナウイルスの影響で雇用の維持に苦しむ企業が多い中、文科省は1月6日までに、人材の受け入れを望む教育現場と雇用のシェアを望む企業とをつなげる「学校雇用シェアリンク」を、同省ホームページに今月中に開設することを決めた。コロナ禍で苦しむ企業への支援とともに、企業の知見を学校教育に生かすことで、企業、学校ともに「ウィンウィン」になる形を生み出そうという試み。

「学校雇用シェアリンク」のリーフレット

全国の都道府県教委や私立学校などが、現場で受け入れを希望する業務の内容や期間、報酬などの求人情報を登録。同省はその情報を基に、求人情報データベースを作成する。

一方で、経団連や日本商工会議所など経済団体を通して、雇用シェアを望む企業にも積極的に登録を呼び掛け、登録企業には同データベースの情報を提供する。同省が積極的にマッチングすることは法律上できないため、勤務条件の調整や選考は教育委員会や学校と企業の間で進める。

基本的には企業からの在籍型の出向や兼業・副業を想定し、マッチングした人材の採用期間は年度替わりの今年4月から1年間が中心になるとみているが、学校の事情に応じて採用時期や期間などは弾力的に運用できる。

学校雇用シェアリンクを通した求人の主な業務としては、①キャリアアドバイザーやキャリア教育の講師②教員とともに子供たちをフォローする学習指導員③ビジネス関連授業の講師④英語授業を支援する英語科講師や外国人児童生徒の支援⑤教員の業務全般を支援するスクール・サポート・スタッフ⑥部活動の指導員――の6つが挙げられている。同省が昨年12月、首都圏の1都3県の教育委員会に個別に聞き取りをした中で、比較的ニーズが高かったという。

いずれも基本的に免許などは不要で、例えばキャリア教育ならCAなど民間で活躍する幅広い業務の経験者が対象となる。また、2度にわたる新型コロナウイルスに関する大型補正予算で、すでにスクール・サポート・スタッフは全国で約7000人から約3万人に増えたほか、学習指導員も約3万人から7万人ほどに増えたといい、学生や地域の人など、さまざまな人材が活躍しているという。

さらに6つの業務以外でも、例えば影響を強く受けている飲食店で働く調理師を給食調理員に採用するなど、学校現場でニーズがある業務については幅広く求人をしてほしいと呼び掛けていく方針。

同省では昨年10月、大学生らの就職活動を巡る環境が悪化しているとして、経済団体に卒業・修了後、少なくとも3年以内は新卒者と同等の扱いをしてほしいなどと柔軟な対応を要請しており、今回の取り組みは、同省自身も積極的に企業支援に関わろうとの考えから生まれたという。

萩生田光一文科相は昨年12月25日の会見で、「企業が雇用維持のために苦慮されている状況の中、学校現場でご活躍いただくことが雇用維持の選択肢の1つになればという思いもありますが、学校側にとっても企業の知見を学校教育に生かす非常に有益な機会になると考えており、ぜひ積極的に教育委員会や学校にはご活用いただきたい」と述べている。

文科省初等中等教育局財務課は「企業などの外部パワーを入れることは学校の力になり、すでに学習指導員などの活躍でいい流れが現場に生まれている。こうした中で企業人材を学校に生かす意義は大きく、学校、企業ともウィンウィンの形が生まれるといいと思う」と話している。

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