1人1台端末の前倒し納品 「端末確保難しい」との声も

新型コロナウイルスの感染拡大により、オンライン授業などICTを活用した学びの保障が必要となることを見越し、萩生田光一文科相は1月7日、日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)に加盟する民間事業者とオンラインで面会し、GIGAスクール構想による1人1台端末を早期に納品するよう協力を依頼した。ただ文科省の担当官によれば民間事業者から、世界的な需要の高まりを背景に、端末の確保が難しくなっている状況も報告されたという。

民間事業者にオンラインで協力要請を行う萩生田光一文科相

萩生田文科相が面会したのはパソコンなど端末のメーカー、リース事業者、販売事業者、通信事業者、業界団体など40社以上、約100人の民間事業者。

萩生田文科相は▽各自治体の納期までに確実に納品できるよう尽力し、貸し出しが必要な台数に限った先行納品も検討すること▽現時点でICT環境が整っていない家庭や学校に向け、学校や設置者などの要請に応じて端末・ルーター・カメラ・マイクなど、オンライン学習に必要な機材の貸し出しを検討すること▽学校ICT活用の支援に関する相談窓口を設けること――を要請した。

面会後に記者会見した文科省の今井裕一・初中局情報教育・外国語教育課長は「企業の側からは、ぜひ検討して前向きに取り組んでいくという話があった」としつつも、自治体での承認や発注手続きが終わっても、ICT端末の需要が世界的に高まっていることや、前例のない規模の調達を一斉に行うことなどから速やかな納品が難しいケースもあり、民間事業者から「(端末の確保に)非常に苦労しているというご紹介もあった」と明かした。

図表:文科省が集計した1都3県の端末の納品完了時期(昨年8月末時点、ベースは自治体数)

文科省の集計によれば、緊急事態宣言の対象となる1都3県ではほぼ全ての自治体で、議会承認・調達の公示を経て事業者の選定まで完了している。ただ、昨年12月末までに納品を完了している自治体の割合は、最も高い東京都でも31.7%、最も低い千葉県では17.9%にとどまり、これから年度末に向けて納品のピークを迎える=図表=。

萩生田文科相は「緊急事態宣言が出されると、オンラインとの併用も考える学校も出てくると思うので、ここは(納品の)スピードを上げていただけるようなお願いを今日、改めてさせていただきたい」と強調した。

ICT環境が整っていない家庭や学校に向けた機材の貸し出しについては、民間事業者は前回の休校時の経験を踏まえ、「状況を見極めながら取り組みを進めていきたい」と応じたという。また学校からの相談窓口についても「すでに開設しているが、さらに増やすことも含めて考えていきたい」との意見が出たという。

文科省は同日、都道府県・政令市教委に向けて通知を出し、萩生田文科相から民間事業者に協力依頼したことを周知。自治体にも、民間事業者と緊密に連携しながら、端末やルーターなどの早期導入に向けたさらなる取り組み、自宅などでのオンライン学習のための環境整備を、地域・学校の実情に応じて積極的に進めるよう求めた。

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