【緊急事態宣言】学校現場のチェックリストを通知 文科省

首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出されたことを踏まえ、学校教育活動の継続を目的として、文科省は1月8日、全国の学校現場に新型コロナウイルス感染症対策の総点検を求める通知を出した。学校現場における感染症対策の考え方について、教科ごとの留意事項などを改めて整理し、冬場の教室での換気と防寒対策など学校現場が再確認すべき事項をチェックリストにまとめた。萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、「地域一斉の臨時休業を要請することは考えていないが、現在の感染状況を踏まえれば、社会のあらゆる分野で新規の感染者を1人でも減らすことが不可欠。学校も当然その例外ではない」と述べ、学校現場に感染症対策の徹底を求めた。

学校現場の感染症対策を説明する萩生田光一文科相

通知は1月8日付で、都道府県教委などに出された。萩生田文科相は「特に緊急事態宣言の対象地域では、感染リスクの高い教育活動は一時的に停止すること。例えば、音楽の合唱とか、直接児童や生徒が接触のあるようなタイプの授業などはやめていただきたい。緊急事態宣言の対象地域だけでなく、全国で感染症への危機意識を共有し、全ての関係者が当事者意識を持って対策を徹底していただくことが必要だ」と説明した。

通知では、まず、学校教育活動の継続について、子供たちの学びの保障や心身への影響の観点から、地域一斉の臨時休校を避けるべきだと改めて指摘。しかしながら、緊急事態宣言の対象地域にある高校と特別支援学校については「生徒らの通学の実態なども踏まえた上で、感染状況に応じて、例えば時差登校や分散登校などの検討も行い、警戒度をより高めること」を求めた。

次に、児童生徒と教職員について、毎日の登校前の健康観察を徹底した上で、登校後も児童生徒の体調の観察に努め、「体調の不調に教職員が気付いた場合には、 すみやかに養護教諭らと連携し、迅速な対応を取る」として、養護教諭に遅滞なく相談することを求めた。また、教職員が発熱などの風邪症状がある時には休みを取り、積極的に受診しやすい環境を整えるよう各学校に促した。

学校内感染の原因につながりやすいとみられる「感染リスクの高い教育活動」についても、具体的に書き込んでいる。▽各教科等に共通する活動として「児童生徒が長時間、近距離で対面形式となるグループワークなど」および「近距離で一斉に大きな声で話す活動」▽理科における「児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察」▽音楽における「室内で児童生徒が近距離で行う合唱およびリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の管楽器演奏」▽図画工作、美術、工芸における「児童生徒同士が近距離で活動する共同制作等の表現や鑑賞の活動」▽家庭、技術家庭における 「児童生徒同士が近距離で活動する調理実習」▽体育、保健体育における 「児童生徒が密集する運動」や「近距離で組み合ったり接触したりする運動」--を挙げた。

体育については、「可能な限り屋外で実施すること」を原則として明記。「体育館など屋内で実施する必要がある場合は、特に呼気が激しくなるような運動を避けることを徹底すること」と求めた。

運動時のマスク着用については、従来通り「身体へのリスクを考慮して、必要ない」としたが、「授業の前後における着替えや移動の際や、授業中、教師による指導内容の説明やグループでの話し合いの場面、用具の準備や後片付けの時など、児童生徒が運動を行っていない際は、可能な限りマスクを着用すること」として、具体的な場面を示しながら、運動の前後にはマスク着用を原則とすることを説明した。

さらに高校のバスケットボールなどで感染が拡大したことを踏まえ、体育の授業でも「集団で行う活動は避け、なるべく個人で行う活動とし、特定の少人数(2~3人程度)での活動(球技におけるパスやシュートなど)を実施する際は十分な距離を空けて行うこと」と細かく例示した。

給食や弁当など飲食の場面では「飛沫(ひまつ)を飛ばさないよう、例えば、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応をとること」を求めた。また、高校生では「学校内感染」が28%を占めている事態を受け、「食事後の歓談時には必ずマスクを着用すること」とした。

部活動における感染症対策では、緊急事態宣言の対象地域について「学校が独自に行う他校との練習試合や合宿等を一時的に制限するなど、感染症への警戒度を高めること」を要請。「部活動終了後に、生徒同士で食事をすることを控えるよう特に指導を徹底すること」と強調した。

また、緊急事態宣言によって午後8時以降の不要不急の外出を自粛するよう求められたことから、児童生徒に対して午後8時以降の不要不急の外出を控えるよう指導するとともに、教職員にも周知徹底することを求めた。

通知は、こうした内容について、別紙として添付された「学校教育活動を継続するためのチェックリスト」によって、学校現場が再点検できる構成になっている。

文科省初等中等教育局幹部は「感染症対策の総点検をいま改めて学校現場にお願いするのは、チェックリストの冒頭に記したように『子供たちの学びを何としても継続するため』という目的があるから。消毒の回数を増やすような作業の追加を求めているのではない。冬場の教室で窓を開けて換気をすれば、当然寒くなる。そのときには、子供たちにマフラーなど防寒着の着用を促すなど、柔軟な対応ができているか。各教科の学習活動は、ちゃんと感染症対策ができているか。これは全ての教科で確認してほしい。一斉休校を回避して、子供たちが学びを続けるために、学校現場と一人一人の教員たちに改めて総点検をお願いしたい」と話している。

学校教育活動を継続するためのチェックリスト

(1月8日付文科省通知より)

 教職員や関係者の皆さまのこれまでの献身的な御努力に心から感謝申し上げます。国内で高いレベルの感染状況が続く中、 子供たちの学びを何としても継続するため、緊急事態宣言の対象区域の学校はもとより、 区域外の学校でも、感染対策を徹底するための総点検をお願いします。

具体的には、各学校等において、以下の点について改めて再点検を行い、感染対策の万全を期していただきますよう、 お願いします。

  • 登校・出勤前の健康観察などによる健康状態の把握に加え、 登校後の体調不良者の早期発見に努め、 養護教論等と連携した迅速な対応をとっていますか。
  • 教職員についても、 体調不良時には休みをとったり受診したりしやすい環境の整備を工夫していますか。
  • 教室等における常時換気 (難しい場合には 30分に1回以上、少なくとも休み時間ごとに窓を全開)を励行するとともに、 児童生徒らに温かい服装を心掛けるよう指導し、 学校内での防寒目的の衣服の着用等について、 柔軟に対応していますか (コートや防寒着 マフラー等の着用、 ひざ掛け 毛布などの使用等)。
  • 各教科の学習活動や方法が、「衛生管理マニュアル」第3章「具体的な活動場面ごとの感染症予防対策について」に示された、 地域の感染レベルに応じた活動の考え方に相応するものとなっていますか。(※全ての教科についてチェック)
  • 体育の授業を体育館など屋内で実施する必要がある場合は、 呼気が激しくなるような運動は避けるなど、体育における留意事項を徹底していますか。
  • 給食、弁当、 部室での食事、教職員の食事などを含め、全ての飲食の場面において、飛沫(ひまつ)を飛ばさないような席の配置や、 距離がとれなければ会話を控えるなどの対応を工夫していますか。 また、食事後の歓談時には必ずマスクを着用するよう指導を徹底していますか。
  • 部活動(その前後の活動も含む) において、地域ごとの感染レベルに応じた活動を行っていますか。 特に、高等学校においては、 地域の感染状況に応じて、感染リスクの高い活動を一時的に制限することも含め検討していますか。
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