「#学校ゆるくていいじゃん」に賛否 現役教員も校則議論

コロナ禍で緩和された学校のルールは、このままでもいいのではないか――。校則や部活動、教員の働き方などを世の中に発信している内田良名古屋大学准教授の問題提起が、SNS上で大きな議論を呼んでいる。内田准教授らが主宰する「みんなの学校安心プロジェクト」は1月4日と11日に緊急のオンラインシンポジウムを開き、現役の教員も交えて活発なディスカッションを行った。

内田准教授(Zoomで取材)

内田准教授は1月3日に、Yahoo!ニュースに「理不尽な校則 なぜ変わらないのか ――コロナ禍の校則緩和から『学校依存社会』を読み解く」と題した記事を公開。換気をしながらの暑さ対策・寒さ対策で、学校内で過ごす服装に関する校則が緩和された事例などを踏まえ、学校のルールを緩めても荒れることはなく、むしろ教員の働き方改革の観点から、この状態を続けるべきではないかと指摘したところ、賛否両論を含めた大きな反響があった。

記事の配信直後である1月4日に開催された緊急シンポジウムでは、このタイミングで校則の問題を取り上げたことについて、内田准教授は「コロナ禍で学校は実験的なことをせざるを得なかった。卒業式も最小規模になり、部活動も縮小した。暑さ対策や寒さ対策で服装も緩くなった。いろいろなものが緩和されたが、それで何か問題が起こっただろうか。コロナが収束したら元に戻すのではなく、そのまま続けてはどうか。これらの問題を、これからは教員の働き方改革と結び付けて議論していくべきだ」と説明。学校がさまざまな業務を抱え込んでいる現状を見直し、家庭や専門機関にどう委ねていくかや、子供たちがリラックスして学べる学校づくりを進めるかを考えなければならないと投げ掛けた。

岐阜県で学習塾を経営する傍ら、学校が早く終わった日は午後4時まで外出を禁止する、いわゆる「4時禁ルール」の廃止を働き掛けた山本真平さんも登壇。山本さんは、4時禁ルール以外にも「ショッピングモールには行ってはいけない」などのルールを設け、PTAや教員が休日にパトロールをしている学校があるとした上で、「ここまで学校が地域に入ると、働き方改革が進まない原因になるのではないか。学校行事についても本当に生徒のためになっているのか。保護者や来賓のためのセレモニーになっているのではないか。勇気を持って廃止することも必要ではないか」と問題提起した。

その後、内田准教授らはツイッター上で「#学校ゆるくていいじゃん」のハッシュタグを付けて、さらに活発な議論を喚起。それを受けて1月11日に開催されたオンラインシンポジウムでは、現役の中学校の教員が、現在進めている校則の見直しなどの取り組みを紹介した。

その一人である公立中学校の教員は「学校ゆるくていいじゃん」という言い方には違和感があると表明。校則で定められていた運動靴や下着の色に関する規定の廃止などに取り組んだものの、髪形を巡っては、「ツーブロック」といっても人によって許容できる範囲に差が生じるなど、線引きが難しかったと振り返った。

その上で「校則を緩くしたいけれど難しい。そこで、なぜルールがあるかを考えてみようということになった。ルールを細かくするのではなく、一般常識として、身だしなみを整えることと、おしゃれをすることを区別できるようになるのが、学校の教育活動として意義がある」と、生徒に目的を考えさせる重要性を強調。「学校ゆるくていいじゃん」だけでは、その学びの部分が抜け落ちるのではないかと投げ掛けた。

また、別の公立中学校の教員は「今の校則は理不尽に厳しすぎるから、緩くしないといけないと思う。生徒や保護者に対して、なぜいけないのか理由を説明できない校則では、納得してもらうのは不可能だ」と、厳しすぎる校則が教員にも負担になっていると指摘。理不尽なルールを押し付ければ、生徒は反発してかえって学校の荒れにつながるのではないかと疑問を呈した。

「みんなの学校安心プロジェクト」では、今後もコロナ禍の校則の在り方について、オンラインシンポジウムなどで取り上げていく予定だという。

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