個別入試、コロナ禍の見直し容認 文科相「受験生第一」

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、大学入試の個別試験で選抜方法などを見直す動きが出ていることについて、萩生田光一文科相は1月15日の閣議後会見で、「柔軟な変更が出てくることは、2次試験をやらないよりも、前向きではないか。大学の工夫と判断を尊重したい」と述べ、見直しを容認する考えを示した。その上で、「前日に急に試験方法が変わると、受験生たちは不安だろうし、トラブルにもなる。大切なことは受験生第一に考えていただくことだ」と強調し、受験機会の確保を図るとともに、変更内容がある場合は早めに周知するなど、受験生への配慮を改めて求めた。

大学入試について説明する萩生田光一文科相

大学入試では、例年、教科や科目の変更など受験生の準備に大きな影響を及ぼす場合には、実施する2年程度前に予告、公表する「2年前ルール」が、文科省の大学入学者選抜実施要項で定められている。ただ、昨年6月に出された2021年度の実施要項では、新型コロナウイルスの感染拡大に対するため、受験生への配慮を前提に、「2年程度前に予告・公表した学力検査の教科・科目等を見直すことは可能」と明記。文科省はコロナ禍での特例的な見直しを認めている。

萩生田文科相は、受験シーズンを迎える中での選抜方法の見直しについて、「例年であれば、公表した募集要項の通り実施するのが通例だが、現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況などを踏まえれば、募集要項の通り実施することが難しい、という大学が出てくることも予想できる。入試方法などを変更する大学も現にある」と説明。「こうしたケースについては、今回のような非常時にあって、入試の公正性の観点を踏まえつつ、同時に受験機会を最大限確保する観点から、各大学がそれぞれの実情や、受験生への影響を考えながら、慎重に検討し、適切に判断したものと考えている」と述べ、大学側の判断を評価した。

さらに「緊急事態宣言が出される中での受験になった。私は、グループディスカッションを、個別の指定された部屋からオンラインに変える学校が出てきたり、朝の試験時間を昼にすることによって宿泊を伴わないで日帰りで受験ができるような配慮をしたり、そういう柔軟な変更は、2次試験をやらないよりも、前向きではないかと思っている。そこは大学の工夫と判断を尊重したい」と、具体的な見直しの例に触れながら、選抜方法の見直しを支持する考えを明らかにした。

受験生への配慮について、萩生田文科相は「前日に急に試験方法が変わると、受験生たちは不安だろうし、トラブルにもなる。できる限り時間(に余裕)を持って示すことが大事だと思っている。大切なことは、受験生第一に考えていただくことだ」と強調。大学側には「単に(試験を)中止して、(受験生が)本来の実力が発揮できないまま、結果を出されてしまうよりも、機会を奪われないようにすることが極めて大事だと思う。大学としては、そういう前向きな取り組みをしてほしい」と注文を付けた。

大学入試の個別試験では、大多数の大学がいまのところ、予定通り実施する方針を変えていない。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している現状を受け、急きょ、個別試験の選抜方法を見直した大学もある。東京外国語大は1月6日、地方在住の受験生が日帰りで受けやすいように、午前10時だった試験開始時間を、前期日程は午後1時に遅らせ、150分で行う予定だった英語の試験時間を90分に短縮することを公表した。後期日程の試験開始時間も午後1時半に遅らせる。

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