1人1台環境の実現と働き方改革 各地の先進事例を報告

事業構想大学院大学は1月13日、学校のICT化と働き方改革をテーマにしたオンラインフォーラムを開いた。GIGAスクール構想の前倒しなどで1人1台環境の実現が目前に迫る中で、ICTを活用した業務の効率化や新しい授業イメージに向けた各地の先進事例が報告された。

学校のICT化や働き方改革の事例を紹介したオンラインセミナー

茨城県つくばみらい市は昨年、クラウドサービスを提供するHENNGE㈱と包括連携協定を結び、市が運営する保育所などで、同社が自治体向けに開発したメッセージングサービス「CHROMO」を導入し、子供の欠席・遅刻の連絡や、保育所から配信される文書の確認などを保護者のスマートフォン上で行えるようにした。

その結果、朝の登園時間帯の電話対応がなくなり、システム上で保護者が文書を確認したかどうかも可視化されるようになったため、連絡がスムーズになった。また、これまでは集計作業の煩雑さなどから難しかった定期的なアンケートも実施できるようになり、サービスの向上につながったという。

同社ソーシャル・イノベーション・ソリューション・セクションの井上桂基セクション総括は、こうした連絡ツールの活用は、保育所だけでなく学校でも効果があると強調。文科省が昨年10月に通知した、押印の必要な文書の見直しなどを求める方針も踏まえ、「保護者とのやり取りを電話や連絡帳からデジタル化していき、コミュニケーションをより円滑化していくことで、職員の働き方改革につながるのではないか」と話した。

つくばみらい市市長公室秘書広報課シティプロモーション係の羽田康宏主幹は「切れ目のない子育てをしていくため、保育所以外でも、小中学校や、妊娠初期の母子手帳をもらった方などにも広げていき、子育て支援を充実させていきたい。つくばみらい市はアナログな部分も多かったが、これをきっかけに新しい当たり前をつくっていければ」と意気込んだ。

鳥取県教育委員会による、ICTを活用した教員の指導力向上の取り組みを紹介したのは、同県教育センター教育企画研修課の岩﨑有朋係長。同県ではGIGAスクール構想の前倒しや学習指導要領の全面実施を受けて、ICTを活用した授業をイメージしてもらうための「とっとりICT活用ハンドブック」を作成。小学1年生から高校3年生までの12年間にわたる、具体的な学習活動ごとのICT活用場面を示した。

また、同県では独自の取り組みとして、機材を学校に直接持ち込み、教員が1人1台環境を体験する学校訪問型研修をスタート。ICTが苦手でも取り組みやすい授業などを実際にやりながら、県が採用したクラウド型システムや、フォーム機能を活用した振り返りなどに慣れる機会を設けている。

岩﨑係長は「それぞれの活動では、学習として意味があることを確認するようにしている。ICTを活用するとなれば、どうしても表面的な学習指導に意識が行きがちだ。どのような資質・能力を高めたいのかなど、背景に隠れている授業者としての狙いを定めた仕掛けが必要だということを、校内で共有するいい機会になる」と研修の意義を強調した。

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