水中ドローンの操作をVRで体験 海の生態系を学ぶ授業

海に行けなかった子供たちの体験格差を解消する――。環境教育の一環で、VRを活用し、教室から水中ドローンの操作を疑似体験し、さまざまな魚を観察する授業がこのほど、さいたま市立栄小学校(保髙智校長、児童588人)で行われた。児童らは多様な魚を撮影しながら、地球温暖化が海の生態系に与える深刻な影響について考えを深めた。

水中ドローンの操作を疑似体験する児童ら

この授業は、日本財団による「海と日本プロジェクト」の一つ「Virtual Ocean Project」の一環で、小学5年生を対象に行われた。

水中ドローンを扱う会社の社員になって仕事を体験するという設定で、児童は研究所やカメラマンからの依頼内容を聞いて、スクリーン上に映し出された巨大水槽の映像を確認しながら、水中ドローンをコントロールしてさまざまな魚を撮影。魚が認識されると、名前や特徴を紹介する解説が表示され、魚に関する知識を学べた。

またミッションの前後ではスタッフが、地球温暖化によって海水の温度が上昇し生態系が変化していることや、漁業や食生活にも影響が出ていることなどを説明し、水中ドローンなどのテクノロジーを使った海洋資源の保全や研究の重要性を伝えた。

授業に参加した児童は「実際に水族館に行った気分になれた。環境問題に対する人の行動の重要性が分かった。VRを使って、自動車工場で実際にロボットを操作しながら車を作るなどの体験をしてみたい」と感想を話した。

新型コロナウイルスの影響で、同校では運動会や社会科見学などの学校行事は軒並み中止となった。5年3組担任の武井健二教諭は「クラスには生物が好きな子供も多く、ちょうど2学期に社会の授業で水産物のことを学んでいたこともあり、興味・関心を結び付けることができた」と振り返った。

授業を企画したバーチャルオーシャン製作委員会で、システムとイベントディレクターを担当している並河大地さんは「新型コロナウイルスの影響で、海や水族館に出かける機会が少なくなっており、海に対する体験格差を是正したいと考えた。プログラムは水族館の監修・協力で作られた本格的なもので、来年度以降、事業として本格的に教育機関などに広めていきたい」と意気込む。

この授業は昨年12月、愛知県立大府特別支援学校の院内学級でも実施された。

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