「教師を再び憧れの職業に」 文科相、検討本部設置を表明

学校のICT環境整備や小学校の35人学級の実現で、教員の人材確保と質向上が一層求められている事態を受け、萩生田光一文科相は1月19日の閣議後会見で、文科省内に部局横断による検討本部を立ち上げることを表明した。続いて検討本部の初会合が同日開催され、教員研修の充実など当面取り組む事項と、教職課程の見直しなど中長期的な内容に分けて具体的な方策を詰めていくことを確認した。萩生田文科相は「目指すべき出口は、教師を再び憧れの職業にバージョンアップして、志願者を増やすことにしたい。大きく変えていかないと、時代に合った教員養成をできない」と述べ、ICT活用を踏まえた教職課程や教員免許制度などの抜本的な見直しに意欲を示した。

教員の人材確保と質向上への意欲を話す萩生田光一文科相

検討本部の名称は「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部」。本部長に萩生田文科相、副本部長に丸山洋司文部科学審議官が就き、教員養成などを所管する義本博司・総合教育政策局長、小中高を担当する瀧本寛・初等中等教育局長、大学を担当する伯井美徳・高等教育局長が本部員となる。

検討本部の席上、萩生田文科相は「令和の日本型教育を実現するため、わが国の教育を担う教師の人材確保と質の向上について、現行制度の在り方を根本から見直し、抜本的見直しを含めて検討する必要がある。省内関係部局で議論を尽くして、方策をまとめたい」と指示した。

検討事項に上がっているのは、(1)35人学級を担う教師の確保(2)社会人等多様な人材の活用(3)教職課程の高度化と研修の充実(4)教員免許更新制の在り方(5)その他「令和の日本型学校教育」を担う教師の人材確保および質向上を実現するために必要な事項–の5項目。

萩生田文科相は閣議後会見で「質の高い教師を確保していくためには、既存の仕組みにとらわれることなく、どのような在り方が望ましいかという観点で、中長期的な検討を深めていくことが必要である一方、当面は既存の制度の枠内で実効性のある取り組みを迅速に進めていくことも重要」と指摘。今後の進め方について「短期ですぐに実行に移していくものと、中長期で腰を据えてしっかり考えていくものと、両方をやっていきたい」と説明した。

また、検討対象の例として「ICT活用指導力の養成に向けた教職課程の見直し」を挙げ、必要に応じて外部有識者からヒアリングを行う考えも示した。

検討本部を設置する目的については、「最後に目指すべき出口は、教師を再び憧れの職業にしっかりとバージョンアップして、志願者を増やしていくことにしたい」と説明。そのために取り組むべき課題として「働き方改革や免許制度」を挙げた。

さらに教職課程について、「せっかく少人数学級やICT教育が始まるのに、今の教職課程は、誤解を恐れずに申し上げれば、昭和の時代からの課程をずっとやっている。こんなに学校のフェーズが変わるのに、教えている大学のトップたちは、昔からの教育論や教育技術の話をしている。大きく変えていかないと、時代に合った教員養成をできない」と述べ、抜本的な見直しが必要との認識を強調。

「教員が大変な職業だというのが世の中で染み付いてしまっているけれども、やっぱり夢のある、やりがいのある仕事なんだと理解してもらえるような、そういう教師像を求めていきたい」と続け、教員の人材確保と質向上に取り組む意気込みを示した。

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