フルクラウドで家庭での活用も視野 鴻巣市で1人1台始動

GIGAスクール構想の前倒しを受けて、埼玉県鴻巣市ではこのほど、ICT環境整備のパイロット校で、児童生徒への学習者用端末の配布を始めた。同市ではフルクラウドによるICT環境の整備を進めており、家庭へ持ち帰っての活用も視野に入れる。

清水校長からパソコンを受け取る児童

デジタルコンテンツや統合型校務支援システムも、同市では一体的にクラウド環境で整備。現在、市内小中学校5校をパイロット校に指定して、来年度からの1人1台環境の本格実施に向けた実証を行っている。

パイロット校の一つである市立鴻巣中央小学校(清水励校長、児童372人)では、1月19日に4年生の各クラスで「開封の儀」と称した授業を行った。自分のパソコンを前にした児童らは、充電保管庫での管理の仕方や、IDとパスワードを他人に教えないことといった説明を受けた後、電源を入れて自らIDとパスワードを入力し、初めてのログインを体験した。

児童らは「ちょっとだけ教えてもらえば分かりそう。これから大切に使っていきたい」「知らない言葉をインターネットで検索して調べてみたい」など、期待に胸を膨らませていた。

清水校長は「まずは学校の授業で使い方に慣れた上で、2月からは家庭に持ち帰って活用する。各家庭には午後9時以降は使わせないように求めているが、大切なのは使いながら子供たちがしっかり自律していくことだ」と強調。

また、パイロット校の教員は新しいシステム上で、ICTの利活用について活発に意見交換をしているといい、「前回の緊急事態宣言中の休校で、教員が授業動画づくりに取り組んだ成功体験もあるので、大きな心配はしていない」と授業などでの活用に自信を見せた。

同市の学校のICT環境整備について助言を行っている豊福晋平国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授は「1人1台の導入に向けた段取りは、かなり大変だ。想定していないようなことが、たくさん起こる。どのタイミングで何を行うか、パスワードやプライバシーの保護といった情報モラルをどの段階で教えていくかなど、シナリオをしっかり考えていく必要がある」と指摘する。

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