絵本作家へのインタビュー記事を課題に、編集者が小学生に読みやすい文章の書き方を指導するオンライン授業が1月19日、福島県二本松市立東和小学校(八巻博之校長、児童219人)で行われた。5年生の児童が絵本作家の大橋慶子さんにオンラインでインタビュー。それを基に書いたインタビュー記事を、出版社を経営する常松心平さんが添削し、さらに文章が良くなる秘訣(ひけつ)をアドバイスした。

同授業は「次世代教育・産官学民連携機構」が二本松市教委と連携して行っている取り組みの一環。同機構の賛助会員である出版社「303 BOOKS」代表取締役の常松さんと、同社から出版された科学絵本『新装版 そらのうえ うみのそこ』の作者である大橋さんが協力した。
前半は、グループごとに設定したテーマに基づき、児童らは大橋さんへのインタビューに挑戦。「どうして絵本作家になったか」「本のアイデアを考えるとき、お気に入りの場所はどこか」といった質問に、大橋さんは丁寧に答えた。
後半は、大橋さんから聞いた話を踏まえ、児童らはインタビュー記事を作成。常松さんが講師となり、実際にインタビュー記事を作成するときは、話し言葉を正しい文章に直したり、内容が分かるように言葉を補ったりすることがあると解説。常松さんは児童が書き上げた記事を順次メールで受け取ると、編集者の視点から記事がさらに良くなるアドバイスを一人一人に伝えていった。
担任の本田夏季教諭は「子供たちはいつもより丁寧な字で、何度も読み返しながら文章を書いていた。本物の作家や編集者と直接話したり、添削してもらったりすることで、子供たちも本気で目的意識を持って取り組めていた」と、成果を実感していた。
記事はこの後の授業でさらに児童が推敲し、完成後は「303 BOOKS」のウェブサイトで公開される予定だという。
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