「外部指導者の適切な活用について通知」 傷害事件受け

茨城県の中学校で剣道部の部活動中に、外部の指導者が男子生徒を転倒させて3カ月の重傷を負わせる傷害事件が起きたのを受け、萩生田光一文科相は1月22日の閣議後会見で、「今回のケースは部活動の外部指導員ではないが、しっかり検証しながら、外部指導者に対する研修の徹底や適切な活用について通知を出し、全国の教育委員会と取り組みたい」と述べた。

茨城県教委や同県小美玉市教委によると、昨年9月、同市の市立中学校で剣道部の練習中、外部の指導者が男子生徒を転倒させ、生徒は脳しんとうを起こしたほか、左手首に全治3カ月の重傷を負った。この指導者は1月20日、傷害の疑いで警察に逮捕された。この指導者は地域の教育委員会が採用する部活動の外部指導員ではなく、卒業生の父親で、学校から指導の依頼は受けていなかったという。

部活動の指導を巡っては、2017年に指導体制の充実を図るため学校教育法の施行規則が一部改正され、地域の教育委員会による部活動の外部指導員の任用が制度化された。外部指導員は校長の監督を受けて技術的な指導に当たり、定期的な研修なども求められている。

また、教員の働き方改革が課題となる中、文科省の「学校における働き方改革推進本部」は昨年9月、休日の部活動を地域人材に任せ、教員が関わらなくてもよい環境整備を進めるための具体的なスケジュールを示し、実践研究を行った上で、23年度から休日の部活動の段階的な地域移行を進める方針を決めている。地域人材としては、外部指導員も含めた地域のスポーツ指導者などの活用が考えられている。

こうした中で起きた今回の事件について、萩生田文科相は「そもそも(逮捕された指導者が)部活動の外部指導員でなかったことに、大きな問題があったと思う。部活動は学校教育の一環として行われるものであり、どのような人材を活用するのかを含め、学校が部活動を適切に管理することは当然であり、学校の許可を得ず指導に当たるのは適切ではない」と述べた。

一方で、「好意で一生懸命サポートしてくれる保護者やOBの指導者が出てくる可能性もあり、あまり厳しくルール化をすると、『とてもできない』という人が出てきてしまう心配もある」と地域によってさまざまな事情もあることにも触れ、「今回の例をしっかり検証しながら、外部指導者に対する研修の徹底や適切な活用について通知を出して、全国の教育委員会と連携して取り組みたい」と述べた。

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