【35人学級】効果検証で「30人学級」に道筋 文科相

来年度予算案に盛り込まれた小学校全学年の35人学級について、萩生田光一文科相は1月22日の閣議後会見で、「学習面に限らない教育効果について多面的な検証を行えるように、国と地方の協議の場などを通じて検討を進めていきたい。その先に第2ステージを置きたい」と述べ、教育効果の検証結果を明示することで理解を広げ、将来的な中学校の35人学級や小中学校の30人学級の実現に道筋をつけていく考えを明らかにした。文科省は、近く閣議決定する義務標準法の改正案で、学級編制の変更を本則で定めるとともに、少人数学級の効果検証や教員の人材確保などの検討事項と、5年間かけて35人学級に移行する経過措置について附則として定める方向で、法案の作成作業を急いでいる。

35人学級の効果検証について説明する萩生田光一文科相

萩生田文科相は、35人学級への移行に当たり、「国と地方が連携した協議会を設置し、定期的に検証を行う」と説明。協議会の検討内容について「計画的な定数改善を進める上で課題となる教職員定数の適正な管理や、優秀な教員を確保するための取り組み、また外部人材の活用や少人数学級の効果検証などについて確認を行い、必要に応じて改善策を検討する」と述べた。

協議会の体制は、国から文科省と総務省、地方側から全国知事会、全国市長会、全国町村会の地方3団体が参加する見通し。具体的な検証内容や検証方法については「(国会での)法案の審議を踏まえつつ検討したい」と述べるにとどめた。

その上で、「そもそも私がイメージしていた少人数学級は、小中学校で30人だった。今までも少人数学級や少人数指導などは(教員の)加配を通じてやってきて、一定のエビデンスの蓄積がある。今回一律に35人という学級編制にしたときに、学習面やさまざまな方面から検証を加えて、その良さを改めて国民にしっかり知ってもらう努力をしていきたい。その先に第2ステージを置きたいと思っている」と話した。

萩生田文科相は昨年12月18日、少人数学級を巡る予算折衝を決着させた事前閣僚折衝後の記者会見で、目指していた小中学校全ての30人学級が認められず、小学校全学年の35人学級で合意した経過を説明した際、「決してこれで終わりではない。第2ステージに向けて努力していきたい」と述べ、引き続き将来の30人学級の実現を目指す考えを表明した。「その先に第2ステージを置きたい」との発言はそれを受け、30人学級の実現に道筋をつけるためには、35人学級の効果検証を通じて、少人数学級の良さについて国民的なコンセンサスを得ることが必要だとの考えを説明している。

少人数学級の効果について、萩生田文科相は1月12日の閣議後会見で、▽一人一人に寄り添ったきめ細かな指導が可能となる▽子供たちの落ち着いた学校生活につながる▽非認知能力や社会的経済的背景の低い子供が多い学校における学力面での効果がある▽学級経営などにかかる教員の負担軽減につながる――などの点を挙げ、「自治体や有識者より、学力のみならず、学校の教育活動全体を通じたさまざまな効果について指摘されている」と説明。同時に「エビデンスを求める方がいるので、成果は科学的にも証明できるようにしていきたい」と述べ、「小学校の成果は、単に習熟度が上がるだけではなく、不登校の子が減ることも一つの成果だし、子供たちが明るくなることでも私は大きな成果があると思う。こういったことも含めて、しっかり検証していきたい」と話している。

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