「ICTは地方の学びを変える」 実践者らがセッション

ICTの活用は、教育の地域格差をなくす――。長野県の優れた学びの取り組みを紹介し、地域や立場を超えたつながりをつくる、(一社)Learn by Creationと長野県が共同開催のオンラインイベント「Learn by Creation NAGANO(ラーン バイ クリエイション 長野)」が、1月の3週末にわたって開かれた。最終週となった1月23日には、中山間地域の学びや体験を拡張するICT活用についてのセッションが行われた。

地方の学びについて実践に基づいた意見が交わされた

同セッションには、インフィニティ国際学院の大谷真樹学院長、クラスジャパン教育機構の中島武理事長、長野県栄村立栄小学校の宇佐美昌博教諭、アソビズムの依田大志氏が登壇。ライフイズテックの讃井康智取締役がファシリテーターを務めた。

ICTによって学びや体験がどう拡張されているかについて、自宅で学ぶ小中学生のためのネットスクールを運営する中島氏は「都市部の授業がどの地域でも受講できるなど、地域格差がなくなる。また、アーカイブできることによって、子供たちは教科学習を自分のペースで学ぶことができている」とメリットを強調。

さらに、中山間地域など人的なリソースが少ないところでも、ICTの活用でグループ活動もしやすくなった実例を挙げ、「地方は学びが遅れているという不安を抱えている教員や保護者も多いが、ICTの活用で今後はその不安が期待に変わるだろう。地方にはチャンスしかない」と力を込めた。

また、長野県境に位置する7つの小学校を遠隔でつなぎ、ビブリオバトルや社会科の授業などの実践を重ねている宇佐美教諭は、ICTの活用によって、子供たちの学びの変化を日々実感しているという。

「例えば、本校のようにクロスカントリースキーができる小学校は、全国的にもそうないだろう。ICTを活用して外とつながることで、自分たちがそういう素晴らしい所に住んでいることを、小さいころから客観的に捉えることができるようになる」と話し、「この村をよくするために商品開発を考えていくなど、自分たちの村に対する願いが醸成されるようなことをやっていければ」と展望を述べた。

今後の中山間地域の教育について、大谷氏は「ICTを活用すれば、オンライン教材を使って最先端の教科学習もでき、地方の良さを生かしながら人間らしい学びも得られる」と話し、「ICTの快適さと、手触り感のある学びのバランスがポイントになる」と指摘。

長野県で子供向けのプログラミング教室を行っている依田氏は、学びの場をつくるにはテーマ設定が重要だとし、「課題に現実感があると、子供たちは良いアウトプットが出てくるし、情熱を持って取り組める。例えば、都会で農業のテーマを与えてもピンとくる子は少ないが、それが地方だと現実感のある課題となる。子供たちは、例えば自分のおじいちゃんがもっと楽に農業ができるように、何かを作ろうと思える。地方の現実に即したテーマを見つけ、それとICTを組み合わせると良いのではないか」と話した。

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