中教審答申 「令和の日本型教育」実現へのキーワードは

中教審が1月26日に答申した「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」では、まず総論で2020年代を通じて実現すべき教育の姿を描き、そこに向かう道筋を整理。各論では各学校段階で重要になる項目のほか、ICT活用や教師の在り方など、今後の方向性に深くかかわる項目を網羅した。教育新聞は、この答申に登場するキーワードをまとめた。

「個別最適な学び」と「協働的な学び」が中心的な概念に
図表①:答申に盛り込まれた新たな教育のキーワード

答申では教育現場を取り巻く現状として、子供たちの多様化、生徒の学習意欲の低下、教師の長時間労働、デジタル対応の遅れなどの課題があると指摘。その上でGIGAスクール構想、学校の働き方改革を進めながら、新学習指導要領を着実に実施するために「必要な改革を躊躇なく進めるべき」とした。

答申では、急激に変化する時代の中で育むべき能力として「一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすること」を挙げた。

2020年代を通じて実現すべき教育の中で中心的な概念となっているのは「個別最適な学び」だ。GIGAスクール構想に伴うICTの活用や少人数指導により、新学習指導要領で重視されている「個に応じた指導」を充実させることや、その際に主体的・対話的で深い学びを実現すること、これまで以上に子供の成長やつまずき、悩みなどの理解に努めることなどが書き込まれた。

また、個別最適な学びが“孤立した学び”に陥らないよう,探究的な学習や体験活動を通じた「協働的な学び」を行い、個別最適な学びと一体的に充実させるイメージが描かれた。同時に「集団の中で個が埋没してしまうことのないよう、一人一人のよい点や可能性を生かすことで、異なる考え方が組み合わさり、よりよい学びを生み出す」とされた。

実現のための「6つの方向性」

こうした「令和の日本型学校教育」を構築するため、今後の方向性として6つの項目が挙げられた。

図表②:新たな教育を実現するための方向性

こうした方向性のベースには「学校だけでなく地域住民などと連携・協働し、学校と地域が相互にパートナーとして一体となって子供たちの成長を支えていく」「一斉授業か個別学習か、履修主義か修得主義か、デジタルかアナログか、遠隔・オンラインか対面・オフラインかといった『二項対立』の陥穽に陥らず、教育の質の向上のために、発達の段階や学習場面などにより、どちらの良さも適切に組み合わせて生かしていく」などの考え方が示されている。

■今後の方向性に深くかかわる「ICT活用」と「教師の在り方」

各論では、各学校段階で重要になる項目を挙げている=図表①=。例えば小中学校段階では、2022(令和4)年度をめどに小学校高学年からの教科担任制を導入する、小中学校両方の免許取得を促進するなど、義務教育9年間を見通した教育の在り方が検討されているほか、不登校やいじめの重大事態などに適切に対処するための専門機関との連携などが挙げられている。

また高校段階では、高校生の学習意欲を喚起することを目的に、各学校の教育活動の指針となるスクール・ポリシーの策定や、特色ある学科を設置可能とする普通科改革などを通じた特色化、魅力化が目指された。またSTEAM教育など教科等横断的な学習の推進や、定時制・通信制課程での多様な学習ニーズへの対応と質保証などを盛り込んだ。

さらに今後の方向性に深くかかわる項目として、ICTを活用した学びが挙げられた。GIGAスクール構想で1人1台の端末が整備されることから、日常的な授業改善だけでなく、学習履歴など教育データの活用、全国学力・学習状況調査のCBTでの実施、デジタル教科書・教材の普及促進、不登校児童生徒への支援などに生かすことが重要だとされた。

また教師や教職員組織の在り方についても、「教師や学校は、変化を前向きに受け止め、求められる知識・技能を意識し、継続的に新しい知識・技能を学び続けていくことが必要」と強調。教師自身がICT活用指導力など新たなスキルを習得できるようにするほか、多様な知識・経験を有する外部人材を組織に参画させることが書き込まれた。

さらに教員免許更新制や研修制度についても包括的に検証し、必要な教師数を確保しつつ、資質・能力を高める方策を検討するとした。教員養成・採用・研修の在り方については「今後さらに検討を要する事項」として、巻末でも改めて指摘されている。

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