小学校「35人学級」の改正案を閣議決定 効果検証を明記

政府は2月2日、小学校の学級編制標準を現行の40人(1年生は35人)から35人への引き下げを盛り込んだ、義務標準法の改正案を閣議決定した。教室の整備や教職員の配置を計画的に行えるよう、2021年度から5年間をかけて移行する経過措置規定を附則で定めた。また、「35人学級」の教育効果と外部人材の活用による効果を確かめる実証研究や、教員免許制度の在り方に関する検討を行い、必要な法改正を行うことも検討規定として附則に明記した。文科省では、こうした実証研究や検討の結果を踏まえ、さらなる少人数学級への移行や教員免許制度の見直しに取り組む考えだ。

義務標準法改正案の閣議決定について説明する萩生田光一文科相

義務標準法の正式名称は「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」。小学校全学年の学級編制標準の引き下げは、1980年に現行の40人学級が定められて以来、40年ぶりの改正となる。改正案の施行日は4月1日。

改正案の閣議決定を受け、萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、「令和という新しい時代の教育として、ICTの活用と少人数学級を車の両輪として実施することで、一人一人に寄り添ったきめ細かな指導を可能とし、誰一人取り残すことなく、全ての子供たちの可能性を引き出すとともに、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境を構築していく」と表明した。

小学校全学年「35人学級」への移行(義務標準法改正案の経過措置)

経過措置規定では、現行40人(1年生は35人)の学級編制標準について、2021年度から5年間かけて、2年生から6年生まで学年進行により段階的に35人に引き下げ、小学校全学年で「35人学級」に移行する道筋を明記した=表参照。ただし、学級数の増加によって教室不足が生じるケースがあることを想定し、施設整備に一定の期間が必要な場合には、学校設置者の判断で実情に応じた対応ができるようにするとしており、具体的な内容は政令で定める。

検討規定では、義務教育の教育水準を維持向上するためには、学級規模や教職員の配置の適正化に加え、「多様な知識または経験を有する質の高い教員が教育を行うとともに、教員以外の教育活動を支援する人材(外部人材)を活用することが重要である」と指摘。そのために、学級編制標準の引き下げが学力の育成その他の教育活動に与える影響や、外部人材の活用の効果に関する実証研究を行うともに、教員免許制度や教員の資質の保持および向上に関する制度の在り方について検討を行い、それらの実証研究や検討の結果に基づいて、法改正を含む必要な措置を行うことを定めた。

「35人学級」の効果検証について、萩生田文科相は1月22日の閣議後会見で、「学習面に限らない教育効果について多面的な検証を行えるように、国と地方の協議の場などを通じて検討を進めていきたい。その先に第2ステージを置きたい」と述べ、教育効果の検証結果を明示することで少人数学級の実現について社会全体の理解を広げ、将来的な中学校の35人学級や小中学校の30人学級の実現に道筋をつけていく考えを示している。

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