「個別最適な学び」で格差拡大の懸念は 教育再生実行会議

ポストコロナ期のニューノーマル(新たな日常)における、新たな学びの在り方を検討している政府の教育再生実行会議・初等中等教育ワーキング・グループ(WG)は2月3日、第5回会合を開き、先月の中教審答申などについて文科省が報告を行った。委員からは答申の中心的な考え方である「個別最適な学び」により、「子供たちの間に格差が広がるのではないか」という論点が出された。

教育再生実行会議・初等中等教育ワーキング・グループ(WG)であいさつする萩生田光一文科相

会合後に記者会見した内閣官房教育再生実行会議担当室の池田貴城(たかくに)室長によれば、複数の委員から「日本の教育はこれまで一律に全体のレベルを上げる面が強かったが、(個別最適な学びを進めるならば)一人一人の格差が余計に広がっていくのではないか」という懸念の声が挙がったという。

池田室長は「本来、丁寧に進めていけばできる子はどんどん伸びていくし、そうでない子もつまずきが分かってきちんと知識が定着すると思うが、差が広がっていくことは予想されるため、そこをきちんと(対応)しなければいけない」と説明。

ただ「これまで行われてきたような『(教員が)いかに40人の子供たちを引き付けて、分かりやすく説明するか』という発想では、前提となる初歩ができていない子供は付いていけない。これからの学びでは、きめ細かに対応する必要があるということだ」と述べた。

池田室長はまた、委員から「個別最適な学び」の考え方や、「協働的な学び」との関係が理解しにくいという声が出たことを明かし、「学校現場の先生にまで理解されているのか。国際的な潮流で学力観が変わっていることを一人一人に理解していただかないと、きちんと進まなくなるのではないか」という指摘があったことを紹介した。

その上で「個別最適というと一人一人が別のことをやっているという印象で、協働的な学びと反するものに見えるかもしれないが、二律背反ではなく一緒にできる(という考え方)。中教審の狙いを(委員にも)正確にご理解いただきながら議論を進めていく」と話し、現場の教員に対しても、教員研修などを通じて理解を促していく考えを示した。

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