文科省「人材確保・質向上プラン」策定 当面の改革急ぐ

ICTを活用した学びや公立小学校での35人学級など新たな施策が進められる一方で、教員採用倍率の低下により質の高い教員の確保が懸念されている現状を踏まえ、文科省の検討会議は「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」を取りまとめ、2月2日に発表した。当面は本プランに基づいて、既存の制度のもとで制度改正などを急ぐ。一方で教員養成・採用・研修について「基本的な在り方にさかのぼって、中長期的な実効性ある方策を、文科省を挙げて検討していく」とした。

「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」に盛り込まれた当面の対応と開始のスケジュール(出所:文科省)

本プランでは▽35人学級を担う教師の確保▽社会人など多様な人材の活用▽教職課程の高度化と研修の充実▽教員免許更新制の在り方の見直し――の4つの項目について、今年度以降に予定している制度改正をまとめた。

「35人学級を担う教師の確保」としては、公立小学校で40人から35人へと学級編制の引き下げが予定されているものの、採用倍率が過去最低となるなど人材不足が懸念されていることを踏まえ、免許状を取得しやすくする方策を進める。来年度からは、大学が小学校の免許状を取得できる教職課程を設置する際、科目開設の種類や専任教員の配置数などの要件を緩和し、設置を促進する。また小中両方の免許状を取得する場合、関連する授業科目を一体的に開設して総修得単位数を軽減する「義務教育特例」を創設し、2022年以降、大学が特例に基づいた新しい教職課程を開設できるようにする。さらに中学校の免許状を持つ教員が、追加で小学校の免許状を取得する場合の要件も緩和する。

また教職の魅力を上げ、教師を目指す人を増やすため、学校における働き方改革の進展状況や22年に実施予定の勤務実態状況調査を踏まえ、教師の処遇の在り方について検討する。さらに出産・育児などで離職し、免許状の有効期限が切れた者に対しては、臨時免許状を授与できることを今年度から改めて周知し、復職を促進する。

「社会人など多様な人材の活用」も本プランの一つの柱となっている。働きながら小学校の教員資格認定試験を受験しやすいよう、オンラインでの実施や土日の実施も検討して進める。また企業に所属したまま学校に参画する機会を作るため、先月開設した「学校雇用シェアリンク」を活用する。

2日の閣議後会見で、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」の取りまとめについて説明する萩生田光一文科相

教員養成を担う大学の教職課程では、1人1台端末を活用して充実した授業を行えるよう、ICTに特化した科目を来年度に新設する。また現役の教員が変化に対応し、学び続ける環境を充実するため、研修内容を拡充するほか、従来の対面・集合型研修に加え同時双方向型・オンデマンド型などのオンライン研修を加えるなどの改善をはかる。

萩生田光一文科相は2日の閣議後会見で本プランに触れ、「まずはこれらの施策を、スピード感をもって実施して参りたい」と話した。教員養成・採用・研修制度の改善に向けた中長期的な方策の検討については「専門的な審議も必要となることから、次期の中央教育審議会においても幅広く審議していただく必要があると考えている」と述べた。

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