VR×特別支援教育 知的障害のある生徒が買い物を疑似体験

特別支援教育にVR(仮想現実)を活用する試みが、東京都東久留米市にある東京学芸大学附属特別支援学校(内田賢校長、児童生徒67人)で始まっている。1月29日に行われた授業では、知的障害のある高等部2年の生徒が、VR空間上のカフェで飲み物の注文を疑似体験した。

VR空間で飲み物の注文を疑似体験する生徒

授業は同校と、英会話体験施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」が提供している、VRによる体験型英語サービスの開発を行ったグローバルスカイ・エデュケーション(GSE)の共同研究の一環で行われた。

同校では、家庭や地域で生活するために必要な知識と技能を身に付ける「くらし」の時間で、実際に近隣のスーパーで買い物をする学習を行ってきたが、新型コロナウイルスの影響で今年度は実施が不可能。そこで、VRを使って買い物のやり取りを体験する授業ができないか、GSEと検討した。同社でこの授業プログラムを作成し、電子マネー用のカードリーダーなど、最近の買い物で普及しているアイテムも新たにVRで再現した。

授業では、最初にカフェで飲み物を注文する際の基本的なやり取りを確認した後、順番に生徒がヘッドマウントディスプレーを装着し、メニューから飲み物を注文した。教員もヘッドマウントディスプレーを付けて店員役をし、生徒の状態に応じて、支払方法を選ばせたり、わざと注文を間違えたりして、予想外のことにも生徒が落ち着いて対応できるか確認した。

授業の最後に生徒らは「実際のお店で注文していたときに、間違った言い方をしていたことに気付いた」「『店内で飲みますか』と聞かれて、どう答えていいかなかなか出てこなくて迷ってしまった」などの感想を言い合っていた。

授業を行った岩井祐一教諭は「夏休み明けに保護者から、子供が買い物の際にレジ袋が必要か聞かれて困っていたという話を聞いて、今回の授業を考えた。思っていたよりも子供たちはVRに適応していて、実際の買い物をイメージできていたようだ。今後は、店員役を生徒がやって、仕事へのイメージを持たせたり、就職などの面接を想定したやり取りをVRで練習してみたりといったことができれば」と手応えを感じていた。

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