児童生徒の自殺急増 国会や党部会で対策求める声相次ぐ

コロナ禍の中、昨年の児童生徒の自殺が急増したことを巡り、2月4日に開かれた自民党文科部会や衆院予算委で、早急な対策を求める声が相次いだ。特に8月は前年の2倍以上に増えており、議員から分析を急ぐよう求める声が上がった。文科省は有識者の協力を得て原因の分析に乗り出す方針を示し、萩生田光一文科相は児童生徒が必要なときに迅速に相談できる体制づくりを進める考えを改めて示した。

児童生徒の自殺推移

同省が自民党文科部会で示した資料によると、昨年の児童生徒の自殺(1~11月の速報値)は440人(前年は1年間で339人)に上り、統計を取り始めた1980年以来、過去最多となった。5月までは例年と大きな変化はなかったが、6月から増加傾向が続き、特に8月は64人と前年(29人)の2倍以上に急増。このうち高校生女子が23人(前年3人)と突出していた。

大学生の自殺推移

また、大学生(大学院生、短大生、高等専門学校生を含む)の自殺も368人(前年は1年間で310人)と増え、特に8月と9月は前年の約2倍に増えるなど、児童生徒とほぼ同じ傾向がみられた。

同省は、昨年の自殺の原因や動機についてまだ分析していないが、コロナ禍による社会不安が背景にある可能性に加え、「著名人の自殺報道が影響したのではないかとの分析もある」などと説明。これに対し、議員からは「7月以降の増加は明らかにコロナ禍の影響が考えられる。例年より前倒しして早急に傾向や原因を分析すべきだ」との声が上がったほか、大学や専門学校生の自殺対策についても学校任せにせず、分析などを進めるよう求めた。

文科省は今後の自殺予防の取り組みとして、①SNS等を活用した相談事業の全国展開②厚労省と連携し、ICTを活用した効果的な自殺対策の検討③有識者の協力を得て、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた自殺の原因分析や適切な対応等の検証――を3つの柱として、対策を急ぐ姿勢を示した。

一方、同日の衆院予算委では、鈴木貴子議員(自民)が「自治体が行っている子供からの相談の多くはSNSで行われている。GIGAスクール構想による1人1台端末で24時間、子供たちがSOSを発信できるようツールを埋め込むことはできないか」と質問した。

これに対し萩生田文科相は「児童生徒の自殺を大変重く受け止め、悩みを抱える子供たちの早期発見に取り組んでいる。ICTを活用した効果的な自殺対策の検討や、1人1台端末を利用して相談窓口にアクセスしやすくするなど、児童生徒が必要なときに容易かつ迅速に相談できるよう、関係省庁と連携して取り組みたい」と述べ、来年度予算で多角的に児童生徒らの自殺対策に乗り出す考えを示した。

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