警察庁は2月4日、昨年1~12月の児童虐待による検挙件数が2000件を超え、警察による児童相談所への児童虐待の通告児童数も10万人を超えたと発表した。一方で、SNSによる事件の被害を受けた18歳未満の子供の数は前年よりも減少し、2000人を下回った。

同庁が公表した2020年の犯罪情勢によると、児童虐待の検挙件数は2131件で、前年と比べ159件増加。検挙件数は5年間で2.0倍になった。虐待の内訳をみると▽身体的虐待 1758件(前年比117件増)▽性的虐待 300件(同54件増)▽怠慢・拒否 30件(同5件減)▽心理的虐待 43件(同7件減)。
児童虐待で警察が児童相談所に通告した人数は10万6960人で、前年と比べ8738人増加した。内訳は▽身体的虐待 1万9452人(1173人増)▽性的虐待 295人(同31人増)▽怠慢・拒否 8858人(同100人減)▽心理的虐待 7万8355人(同7634人増)。通告児童数は10年以降一貫して増加を続け、過去5年間で2.0倍に増えた。
SNSに起因する事件の被害に遭った18歳未満の子供の数は1820人で、前年と比べると262人減少し、18年と同じ水準となった。
また、合わせて公表された20年の犯罪統計資料では、少年犯罪の検挙人員について取り上げている。
少年による重要犯罪の検挙人数は▽殺人 50人(同7人増)▽強盗 323人(72人増)▽放火 33人(同4人増)▽強制性交等 117人(同17人減)▽略取誘拐・人身売買 12人(同8人減)▽強制わいせつ 258人(同70人減)。少年による重要窃盗犯の検挙人数は▽侵入盗 458人(同95人減)▽住宅対象 174人(同57人減)▽侵入盗その他 284人(同38人減)▽自動車盗 89人(同7人減)▽ひったくり 79人(同14人減)▽すり 28人(同20人減)。
公表された数値はいずれも暫定値。
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