日本とフランスの農業高校をつないだ「日仏農業高校オンライン交流会」が、2月4日に開催された。両国の生徒らは英語でお互いの学校や農業教育の取り組みを発表し、共同研究の第一歩を踏み出した。

日仏両国の農業分野での関係強化を図るアクションプランの一環。現在、日本から9校、仏から7校の農業高校が参加しており、▽漫画による農業の魅力の共同発信▽発酵などの農産物加工のノウハウ共有▽景観造成、造園のノウハウやアイデアの共有▽食や食習慣を通じた交流▽果樹生産・加工・販売の共同研究――などのテーマで、共同研究や交流を行う。
しかしコロナ禍により、両国間の行き来が難しくなっていることなどから、日本の農水省と仏の農業省の次官級が、昨年10月に開かれた「第6回日仏農政ワーキンググループ(WG)」で、農業高校の生徒が参加するオンライン会議を開くことで合意。この日の開催に至った。
開催に当たり、仏の高校で授業をした経験のある大澤誠農林水産審議官は「日本とフランスは世界的にも有名な食文化を持ち、それを支える農業を大事にする共通点を持っている。そして、農業高校という制度を持つ世界でもまれな国同士でもある。一方で、農業の得意分野は異なっている。こうした共通性と特殊性を持つ両国が交流したら、お互いに多くのことを学び合えるのではないか」と仏語であいさつ。
仏農業省のバレリー・バドュエル農業教育・研究総局長も「歴史に裏付けられたもの、研究やイノベーションに基づいたものをお互いに学んでいけると思っている。今後も日仏協力をより強化、充実させたい。次はカメラを通じた会議ではなく、ぜひ皆さんと対面で会議ができれば」と応じた。
その後、日本側を代表して北海道大野農業高校と広島県立世羅高校が、仏側からはフォンテーヌ農業高校とワインゼンハイム農業高校の生徒が英語でプレゼンテーションし、お互いの学校の農業教育の特色を紹介し合ったり、共同研究の方向性について意見交換したりした。
大野農業高校は、農業の魅力を漫画で発信するためのオリジナルキャラクターを、仏側の高校と共同制作している。また「世羅茶」の茶畑の再生に取り組む世羅高校では、フランスでの世羅茶の販売や商品開発について、本格的にパートナーの高校と取り組んでいく予定だという。
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