授業実践の研究協議会をVRで開催 体育の教員らが試み

授業実践の研究協議会にもVRを活用――。全国の体育の教員や研究者らでつくる「体育ICT研究会」は2月6日、授業の研究協議会をVR空間で実施した。同研究会研究推進委員長の鈴木直樹東京学芸大学准教授はテレビ会議システムを活用した場合と比べ、「より対面に近い感覚が得られる」とメリットを挙げた。

VR空間上で行われた授業実践の研究協議会

この日行われた研究協議会では、北海道から佐賀県までの教員や研究者ら18人が、専用のVRゴーグルを装着するなどして参加。仮想空間上には、大きな講義室やゼミ室を連想させる空間が用意され、参加者はアバターとなって発言をしたり、発表に対する拍手を送ったりした。

研究協議では、1月26日に愛知県阿久比町立東部小学校で行われた、VRを活用した体育での跳び箱の授業について、指導を行った榊原章仁教諭が発表。スマートフォンを利用したVRを使うことで跳び箱への恐怖心が軽減され、没頭して跳ぶ感覚をつかめるようになったことや、跳び箱が得意な子もそうでない子も、跳ぶときの感覚をさまざまな言葉で表現し、伝え合うなどの効果があったことを紹介した。

その後、参加者はテーマごとにゼミ室のような空間で分科会を開き、VRを活用した授業実践の成果や課題をさらに検討した。

体育におけるICT技術の活用を研究している鈴木准教授は「これまでの体育では、外側からの動きを具体的な成果物として見ており、個別最適化された学びの実現には課題があった。しかしVRならば、うまくできるかどうかではなく、運動する楽しさや喜びなど、本人の感覚を一人称視点で捉えることができる」と効果を説明。美術などのイメージを重視する教科などでも広く応用できると述べた。

また、授業研究でのVRの可能性についても「例えば、360度カメラで撮影した授業動画をVRで見ることができれば、全国どこにいても、その場にいるかのような授業観察ができる。Zoomなどのテレビ会議システムでは、誰かが発言しているとそれ以外の人は聞いているだけになりがちだが、VR空間では参加者全員が一斉に話したり、隣同士の人とやり取りしたりもできるので、より対面に近い感覚が得られる」と解説。GIGAスクール構想で1人1台環境が実現することを踏まえ、こうした新しい技術に教員が積極的に挑戦していくことを呼び掛けた。

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