森林環境教育で検討委が報告書 探究の可能性など提案

林野庁の「森林空間を活用した教育イノベーション検討委員会」は2月9日、最後となる第3回会合をオンラインで開き、森林を活用した教育の推進策に関する報告書を取りまとめた。学校の負担を増やすことなく、森林を活用した探究型学習の展開について、社会課題解決型の部活動の展開など、さまざまな可能性が提案された。

報告書案の取りまとめに向けた議論を行った第3回検討委(YouTubeで取材)

森林環境教育について先進的な取り組みを行っている関係者などからのインタビュー調査を基にまとめられた報告書では、森林に対して感情的な結び付きをつくったり、森林を通じて問題解決型の学習をしたりすることで、多様な課題解決のできる人材を育成することを「森林環境教育」の目標と位置付け、幼稚園から小中、高校、成人まで、幅広い年代でどのような森林環境教育が展開されているかを整理した。

特に、初等中等教育では、子供たちが遊びを通じて日常的に自然に触れる機会が都市部でも農村部でも減少しており、学校の教育課程の中でどのように教員の負担を軽減して授業時間を確保するかや、子供の考えを引き出すファシリテーションのできる人材が不足していることなどを課題に挙げた。

その上で、調査で明らかとなった新しい取り組みを踏まえ、授業準備などで教員の負担を軽減するサポートや、森林で教科の学習を行う実践、キャリア教育との連携、森林をフィールドにした社会課題解決型の部活動の推進などのアイデアを提言。

活動を持続させるためのキーポイントとして▽市民参加も含め、柔軟にプログラムを企画・運営する▽継続的に関与し続ける人、熱量を持ったアクターを育てる▽森林環境教育提供者がつながって定期的に情報を共有する▽学びを支える人の循環を生み出す▽地域に根差す――などを挙げた。

出席した委員からは「例えば、修学旅行でSDGs(国連の持続可能な開発目標)をテーマに、森林体験をするようなプログラムをデザインすることが重要になるのではないか」「町づくりや地域づくりを面白いと思っている生徒が、部活動としてソーシャルアクションをする動きがもっと増えてよい。森林部などの新しい部活動が広がることを期待している」といった、学校の教育活動への森林活用に対する期待の声が上がった。

検討委では、中高生を対象に全国で実施したワークショップの成果や、森林環境教育の先進事例発表などを行う最終報告会を、3月3日にオンラインで開催する予定。


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