SOSの出し方やコロナいじめ 都教委、いじめ対策を改定

都教委はこのほど、いじめ総合対策(第2次)を改定し、概要を公表した。子供が不安や悩みを抱えたときの「SOSの出し方」と、新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者へのいじめへの対策などを盛り込んだほか、学校での組織的な対応が進みつつあることを踏まえ、次の段階として、保護者や地域とともにいじめ問題について考えるためのプログラムを加えた。

いじめ総合対策(第2次)は2017年2月に策定されたもので、今回は都教委のいじめ問題対策委の答申を受け、内容を充実させる形で改定した。

その中では、都内全ての公立学校で「SOSの出し方に関する教育」を充実するとして、「不安や悩みを抱えたときに、身近にいる信頼できる大人に相談することの大切さについて、校長講話、学級指導、相談窓口連絡先一覧の配布時などの機会を捉えて、折に触れて指導する」と記載。

さらに「一人一人がかけがえのない大切な存在であること」「ストレスは誰にでもあること」などについて学ぶ授業を、各学校のいずれかの学年で年間1単位時間以上は実施することや、教員が子供から相談を受けた際に取るべき具体的な行動や取り組みについて理解し、カウンセリングの視点に立った子供とのかかわりを大切にすることを挙げた。

また、新型コロナの感染者、濃厚接触者とその家族などに対する偏見や差別につながるような行為をしないことについて、感染症に関する適切な知識を基に、発達の段階に応じた指導を行うこととした。

さらに、保護者に対してもいじめの定義や現状、未然防止や早期発見に向けた取り組みについて伝えるためのプログラムを掲載。保護者会で校長・副校長・生活指導主任などが保護者に説明することを想定し、実施上の留意点や配布資料などをまとめた。あわせて地域住民にも、自身ができることを考えてもらえるよう、学校運営協議会や道徳授業地区公開講座などで展開できるプログラムも盛り込んだ。

「いじめ総合対策(第2次)」では▽軽微ないじめも見逃さない▽教員一人で抱え込まず、学校組織全体で一丸となって取り組む▽相談しやすい環境の中で、いじめから子供を守り通す▽子供たち自身が、いじめについて考え行動できるようにする▽保護者の理解と協力を得て、いじめの解決を図る▽社会全体の力を結集し、いじめに対峙する――の6つのポイントを挙げ、確実な認知や役割分担、情報共有など、必ず取り組むべき18項目を挙げている。

改訂した冊子は今年3月末までに、都内公立学校の全ての教員に配布するほか、都教委のウェブサイトにも掲載する。都教委の担当者は「ただ配布するだけでなく、各学校で着実な実践と、教職員の熱意が必要になる」と協力を促した。都教委の委員は「地域の関わりの中でいじめに気付くこともある。地域との連携をさらに進めてほしい」と述べた。

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