コロナ禍でもグローバルな学び WWL拠点校が研究発表会

文科省の WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の拠点校に指定されている、筑波大学附属坂戸高校(田村憲司校長、生徒472人)で2月12、13日に、「第2回WWL研究大会・第24回総合学科研究大会」がオンラインで開かれ、授業公開や生徒による探究活動の発表会が行われた。12日には、コロナ禍で海外への渡航が制限される中で企画された、「アジア学院」でのフィールドワークで得た学びを、生徒が報告した。

アジア学院でフィールドワークを行った生徒の発表(Zoomで取材)

日本で初めて総合学科を開設した同校では現在、国際バカロレア機構の日本語ディプロマプログラム校にも認定されるなど、総合学科を生かしたグローバル人材の育成に力を入れており、その一環で毎年、インドネシアに滞在し、現地の高校と環境や地域開発の問題などをじかに学ぶフィールドワークを行ってきた。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、海外渡航が制限されたことから、今年度はインドネシアでのフィールドワークは中止。その代替案を模索する中で、アジアやアフリカの農業指導者が日本に集まり、有機農業などを学ぶ「アジア学院」との交流活動が企画された。昨年11月に希望する11人の生徒が3日間、アジア学院を訪問。世界中の農業指導者らと話し合う中で、食と平和についてや、異なる文化、意見を尊重することの意味を考えた。

12日の報告会では、生徒らは「知ったかぶり」「分かったふり」「やったふり」の3ブリと、「今だけ」「ここだけ」「自分だけ」の3ダケが、誰の心の中にもあり、飢餓や平和などの国際的な問題に真剣に向き合えていないのではないかと指摘。オンラインで視聴していた参加者に、どんな場面で3ダケや3ブリが起こっているかをウェブアンケートで尋ねたり、アジア学院の取り組みを参考に、同校でも地域と連携して循環型の有機農業に挑戦する構想を発表したりした。

学びで得た気付きについて生徒は「私たちは一つの疑問に対する即答を求めすぎていて、広い視野で物事を考えられていなかった。アジア学院のコミュニティーを見ていて心情が変化した。グループワークでは、必ず相手の話を傾聴することをしていた。考えが自分の意見と異なっても、意見をしっかり受け入れることができていた。たくさんの考え方・捉え方が存在してよく、意見が一致しないことは興味深いことなのだと感じた」などと紹介した。

生徒の発表を視聴していたアジア学院の荒川朋子校長は「ここまでの深い学びと、行動を起こすところまで発展させているとは驚いた。アジア学院のエッセンスが伝わっているだけでなく、咀嚼(そしゃく)して自分のものにしている。アジア学院の学びにさらに可能性があるということに気付かされた」と話した。

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