教員志望者がMC術学ぶ 時東ぁみさんらが講師に

コロナ禍で活動が制限される教職課程の学生に、実践的な学びを提供するにはどうすればいいのか――。東京理科大学教育支援機構教職教育センターの井藤元准教授が2月16日、教員志望の学生に向けて、タレントの時東ぁみさんや漫才師の木曽さんちゅうさんを講師に招いたオンライン講義を開催した。「プロの漫才師&タレントに学ぶMC術」をテーマにZoomを活用し、学生たちは教師に求められるパフォーマンス力やファシリテーション力を磨いた。

講師として参加したタレントの時東ぁみさん

講義は、時東さんと木曽さんがMC(司会進行)を務めるトーク番組を教材として使用。二人がゲストとどのように向き合っているかをひもときながら、学生たちは学校現場で活用できる他人の話を傾聴するコツや、相手の心を開く術などについて考えを深めた。

冒頭で時東さんと木曽さんは「MCは脇役」と口をそろえた。時東さんは「視聴者が求めているのはゲストなので、ゲストの話を引き出すことをメインに振る舞っている。(ゲストの話を受けて)このように例えた方が視聴者に伝わりやすいと思った時だけ、自分の話をするようにしている」と説明。

それを受けて井藤准教授は「教師として求められるスキルとつながっている。これからの授業は生徒が主役で、教師はファシリテーターに徹することが求められる。生徒を引っ張っていくというより、生徒が輝けるように、どうサポートしていくかが大切」と、MCと教師の役割の共通点を指摘した。

ゲストと打ち解ける秘訣(ひけつ)についても解説。心を開いていないゲストとの距離の詰めかたについて、木曽さんは「事前にゲストのことを丁寧に下調べして、それをもとに質問を投げ掛ける。そうすると相手は、『自分のことに興味を持ってくれている』と感じる。無理強いして心を開かせるよりも、相手が話しやすい話題や質問を投げ掛けることがコツ」と説明した。

時東さんは「対話できるか不安に思っても、まずは相手の話をよく聞いてほしい。その話の中に、質問を投げ掛けるためのヒントがある。もし苦手と感じる相手だとしても、何が苦手なのだろうと考えて、自分を湧き立てる視点を持ってみるといい」と、アドバイスを送った。

学校現場で取り入れやすい手法として、井藤准教授は、好きなものを可視化するワーク「偏愛マップ」を紹介。これは、一枚の紙に、自分の好きなものをどんどん書いていくといったシンプルなもの。より具体的に、可能な限り数多く挙げるのがポイントだという。そのマップを見せ合いながら、お互いの好きなものを把握して、交流を深める。井藤准教授は講義でも活用しており、「4月にクラス全員で取り組むと盛り上がる。意外な共通点が見つかり、距離が縮まることもある」と話した。

さらに、学生をゲストに見立て、時東さんと木曽さんがMCを務める番組を即興で再現。緊張した学生が、口数が少なくなる場面でも、両名が話題を広げたり、絶妙なタイミングで相づちを打ったりする姿に、学生たちは感銘を受けた様子だった。

ゲストとフランクに意見を交換しながら、学生はのびのびと学びを深めた

専攻する物理についてトークした学生は「専門的な内容は(説明するのが難しく)話せないかなと思ったが、その手前の内容で話を引き出してくれた」と感想を語った。また違う学生からは「アルバイト先の学習塾でさっそく実践したい」と前向きな意見も出た。

新型コロナウイルス感染症の影響で、同学では非対面授業が続いており、同講義でも今年度初めての双方向型授業となった。漫才づくりや新聞記者の取材活動を取り入れた独自の教員養成プログラムを手掛ける井藤准教授は「いまだに学生と対面できず試行錯誤している」と話しながらも、事前に講師と打ち合わせを重ねて学生を引きつける内容を織り込み、学生らを指名して感想や意見を聞きながら講義を進行。リアルの教室にいるかのような臨場感を維持しながら、講義は進んだ。

同テーマの講義は全2回で構成されており、次回は「食レポ」をテーマにパフォーマンス力を磨くという。

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