日本型子どもにやさしいまちづくり モデル市町が成果報告

国内5市町による「日本型子どもにやさしいまち(CFC)モデル検証作業」が完了したことを受けて、日本ユニセフ協会はこのほど、オンラインフォーラムを開いた。パネルディスカッションでは、モデルとなった5市町の首長が子供を大切にしたまちづくりの成果を話し合った。自治体のさまざまな施策に子供の意見を取り入れる場を設けたり、チェックリストによって施策の自己評価をすることで、改善につなげたりする取り組みが共有された。

パネルディスカッションに登壇したモデル市町の首長(Zoomで取材)

ユニセフが提唱する「子どもにやさしいまちづくり事業(CFCI)」は、子どもの権利条約を市町村レベルで具現化する活動で、現在は約40カ国で取り組まれている。日本では2018年10月から2年間、北海道ニセコ町、同安平町、宮城県富谷市、東京都町田市、奈良市の5市町がモデル自治体となり、2年間の検証作業を行った。各自治体は、施策の取り組み状況を自己評価することにしており、この方式は日本独自となっている。

若い世代が多く住み、人口増加が続く富谷市では「子どもにやさしいまちづくり宣言」を行い、市民に対する子供の権利の啓発活動を展開。市役所の中でも、子供に直接関わる部署だけでなく、どの部署も子供の権利を意識するようにし、市の施策について子供が意見表明をする場も設けた。

取り組みを報告した若生裕俊市長は「子供にやさしいまちづくりを全ての施策に関連付けていく。子供の目線を大事にしないといけない。それが、全ての市民にとってやさしいまちづくりにつながる」と述べた。

子供の居場所づくりに力を入れている町田市では、子供が市の施策に意見を述べる場を設けたところ、高校生を中心に「町田創造プロジェクト」が立ち上がり、まちづくりに子供たちが主体的に関わるようになった。同市では、施策の評価について、ユニセフのチェックリストを参考に独自のチェックリストを作成し、あらゆる部署がそれに基づいて評価するようにしている。

石阪丈一市長は「評価の結果はレーダーチャートで示すことで、町田市としての強みや弱みが分かるようになっている。検証を通じて、改善の仕組みを作らなければいけない」と指摘した。

パネルディスカッションの司会を務めた日本ユニセフ協会CFCI委員会委員長の木下勇大妻女子大学教授は「コロナ禍によって、オンラインが普及し、東京で暮らさなくても仕事ができるようになった。子育てのしやすい地方の町を選ぶ家庭が増えていけば、人口の一極集中の解消につながる。この事業はそういう流れをつくっていけるのでないか」と提案した。

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