【デジタル教科書】「実証研究踏まえ議論」 検討会議延長へ

学習者用デジタル教科書の利活用について検討している文科省の検討会議は2月22日、第9回会合で中間まとめ案について議論し、デジタル教科書に共通して必要な機能などについて全国規模で実証研究を行いながら、効果的な活用方法を検討していく方針を示した。こうした方向性を踏まえ当初、今年7月末までとしていた検討会議の設置期間は延長し、来年度に予定している実証研究の成果などを踏まえて議論を続ける。

オンラインで行われた会議を進行する堀田龍也・東北大学大学院情報科学研究科教授

デジタル教科書の技術面など、より専門的な点については、ワーキンググループを設けて議論することも検討する。座長を務める堀田龍也・東北大学大学院情報科学研究科教授は「GIGAスクールの端末が入ってくる段階で、デジタル教科書に期待されている部分は非常に大きい」と、継続的な議論の重要性を説明した。

中間まとめ案では、デジタル教科書の普及状況が公立学校全体で7.9%と低い現状を示しつつ、GIGAスクール構想で整備される1人1台端末でデジタル教科書の機能を効果的に使うことは、児童生徒の「個別最適な学び」と「協働的な学び」を充実させ、新学習指導要領の目指す「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につながると指摘。

一方で▽デジタル教科書に共通して求められる機能や、デジタル教材との連携の在り方▽障害のある児童生徒や外国人児童生徒への対応▽児童生徒の健康面への配慮▽教師の指導力向上の方策▽デジタル教科書を学校や家庭で円滑に利用するための環境整備の確保――については、全国規模の実証的な研究を踏まえた検討が必要だとした。

また、デジタル教科書にふさわしい検定制度、紙の教科書とデジタル教科書との関係についても詳細に検討する必要があるとした。

委員からは「現役の教師がデジタル教科書を使っていくためには、相当の時間数の研修を継続的に繰り返す必要がある」「好事例の発信のため、デジタル教科書の活用を支援するポータルサイトを充実させてはどうか」「児童生徒が自らの健康について自覚を持ち、リテラシーとして修得するよう指導することが望まれる」などの声があった。

中間まとめ案は同日の議論を反映した上で近く公表される。また、パブリックコメントも募集する予定。

2021年度予算案では、学習者用デジタル教科書の普及促進事業として22億円を計上。全国の約6割にあたる小中学校や特別支援学校で、小学5・6年生と中学生全学年を対象に1教科ずつデジタル教科書を導入するほか、デジタル教科書のクラウド配信についてのフィージビリティ検証、実証研究校での詳細な調査を通じた効果・影響の検証を見込んでいる。

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