高校生主体の校則見直しの実践 苫野一徳准教授と対話

10代の主体的な学びを支援する認定NPO法人カタリバは2月23日、生徒が主体となって校則を作る活動「ルールメイキング」をテーマにしたオンラインシンポジウムを開いた。カタリバが提供する「ルールメイカー育成プロジェクト」を取り入れた高校の生徒らが、実際に校則の改正に至るまでの過程を発表し、教育哲学者の苫野一徳熊本大学准教授らとディスカッションを行った。

高校生が校則を変える活動の成果を話し合ったオンラインシンポジウム(Zoomで取材)

2020年度の経産省「未来の教室実証事業」となっている同プロジェクトは、既存の校則や学校のルールに対して、生徒が主体となりながら、教員や保護者と対話を重ねて、課題発見や合意形成、意思決定の力の育成を目指す活動。

プロジェクトを実践した広島市にある安田女子中学高等学校では、有志の中学1年生から高校2年生までの生徒約20人を中心に、校則の見直しに着手。多くの生徒と教員に校則への関心を持ってもらおうと、校則に対する自由な意見を書き込めるようにした模造紙を掲示するなどの工夫をしながら、改正すべき校則を絞り込んでいった。その結果、学校でのスマートフォンの持ち込みや放課後の立ち寄り、カラオケなどの利用について、来年度からルールが見直されることになった。

高校2年生の花本奈月さんは「今までは校則を破ると厳しい指導があったが、議論の中では、校則を破ったときの罰則を付けるべきものなのかという意見もあった。罰則があるから守るのではなく、校則がある中で自分たちがどう生活しやすいかを考えた」と振り返った。

一方、岩手県立大槌高校では、生徒が校則を変えようとするのは「わがままだと思われたくない」との考えから、生徒会が管理職と話し合って、なりたい生徒像やつくりたい学校像といった理念を掲げた生徒宣言を策定。その上で、生徒と教員が参加した校則検討委員会を立ち上げ、地域の意見も聞きながら、靴下の色の指定や登下校中のジャージの着用などの見直しにつなげた。

1年生の中村麗天(るあ)さんは「正直、校則を変えるのは無理だと思っていたが、白のソックスでなくてもいいのではないかと提案したら、白以外も認められるようになった。先生と話し合って校則が変わっていった。1年生でも学校のルールを変えていける。これからは、自分の意見の出し方をもっと学んでいきたい」と胸を張った。

両校の実践に耳を傾けつつ、生徒らに質問を投げ掛けていた苫野准教授は「民主主義は単に形式的に投票することではない。異なる立場の人が対話を通じて、特定の誰かの意思ではなく、全体としての一般意思をつくりだしていく。先生も生徒も一緒になって考えていくことが大切だ」と話し、同プロジェクトによる一連の取り組みを評価した。

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